苦難乗り越え、愛馬送り出す チャグチャグ馬コ、きょうパレード

「馬は生きる意味。好きじゃないとできないよ」と語る斉藤喜征さん。春に馬1頭を失う苦難に見舞われたが、今年もチャグチャグ馬コに愛馬を送り出す=滝沢市・相の沢牧野

 馬コよ、めげずに歩いてこいよ―。岩手県の初夏の風物詩「チャグチャグ馬コ」が10日、新型コロナウイルス禍を経て4年ぶりに通常開催される。愛馬を参加させ続けてきた馬主の一人、滝沢市篠木中村の畜産業斉藤喜征さん(78)は4月下旬、馬小屋を全焼する火災に見舞われ、後に親馬1頭を病気のため失った。だが「待っている人がいる」と苦難を乗り越え、3頭を堂々と送り出す。

 チャグチャグ馬コの行進は滝沢市鵜飼外久保の鬼越蒼前神社を午前9時半に出発。滝沢市役所前や盛岡駅前などを経由し、午後1時50分ごろに盛岡市の盛岡八幡宮に到着する。

 担い手や馬コの減少という課題を抱える中、南部盛岡チャグチャグ馬コ同好会の菊地和夫会長(72)は「思いもよらぬ火災で大変だったと思うが、参加していただけて本当にありがたい」と感謝する。

 

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