第75回長崎県高総体・最終日 サッカー男子決勝 国見が21度目の頂点へ

【サッカー男子決勝、長崎日大-国見】前半5分、国見のDF中浦(中央)がゴール前の混戦からボールを蹴り出す=トランスコスモススタジアム長崎

 第75回長崎県高校総合体育大会最終日は9日、諫早市のトランスコスモススタジアム長崎などでサッカー男子とラグビーの決勝が行われ、サッカー男子は国見が13年ぶり21度目、ラグビーは長崎南山が6年ぶり9度目の優勝を飾った。
 サッカー男子決勝の長崎日大-国見は、長崎日大が序盤から鋭い出足で優位に立った。前半21分にMF樋渡がゴールに迫ったが、国見のGK松本が体を張ってセーブ。国見も徐々に盛り返し、後半18分、右CKをDF平田が頭で合わせて長崎日大ゴールを脅かした。延長まで90分間戦って0-0。PK戦は先蹴りの国見が全員が成功、長崎日大は3人目が失敗した。
 ラグビー決勝の長崎南山-長崎北陽台は、長崎南山が前半8分、SH山下蓮のインターセプトからのトライ(ゴール)で7点先行。長崎北陽台も前半27分、後半7分にFWが前に出て2トライ(1ゴール)を奪い、12-7と試合をひっくり返したが、長崎南山は28分にWTB土橋のトライで追いつくと、ロスタイムにFB後藤が決勝トライ(ゴール)を決めた。
 県高総体はこれで6月開催分の全日程を終了。団体(総合)の最多優勝校は瓊浦で、ハンドボール男子、バスケットボール男子など計6本の優勝旗を獲得した。

◎サッカー男子決勝・国見 耐え続け無失点、敗戦きっかけに意識が変化

 耐えてつかんだ13年ぶりのインターハイ切符だった。国見は、県新人大会王者の長崎日大に押し込まれながらも、主将の平田、中浦の両センターバックを軸にはね返し続けた。無失点で突入したPK戦。5人目の中浦がゴールネットを揺らすと、選手たちは応援席に走って喜びを爆発させた。
 昨冬の全国高校選手権に12年ぶりに出場し、3回戦まで勝ち上がった。だが、新チームに切り替わると、1月の県新人大会で初戦敗退。いきなりつまずき、木藤監督は「頭をガツンと殴られた感じだった」という。
 ただ、この敗戦がきっかけになった。選手たちは「誰かがやる」から「自分がやる」に意識が変化。名門校のユニホームを着る責任感が生まれ、声かけや練習に対する姿勢も変わっていった。
 今大会はノーシード。3回戦は前回王者の長崎総合科学大付を終了間際のゴールで退けた。海星との準決勝は先制されながら追い付き、PK戦を制した。粘り強く、勝負強く勝ち上がってきた。
 決勝は前半から攻め込まれる時間が続いた。9本のCK、ゴール前まで飛んでくるロングスローなどを集中してはじき返し続けた。前半21分と後半33分のピンチはGK松本が身を投げ出した。
 苦しかった試合を終え、平田は笑顔で今大会を振り返った。「失った自信を取り戻した。チャレンジャーとして全国で躍動したい」。青と黄色のユニホームが、夏の大舞台にも戻ってくる。


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