互いに攻め合った一戦はドロー決着、盛り返した鳥栖は札幌の強力攻撃陣を抑え無敗を「6」に【明治安田J1第17節】

10日、明治安田生命J1リーグ第17節のサガン鳥栖vs北海道コンサドーレ札幌が駅前不動産スタジアムで行われ、1-1の引き分けに終わった。

天皇杯2回戦から中2日で行われた一戦。9位の鳥栖はリーグ戦5試合無敗と好調を維持しており、前節の横浜FC戦は2-1で逃げ切っている。上位進出に向け、ホームでの勝ち点3獲得が望まれる状況。ファン・ソッコが今季のリーグ戦で初先発を果たした。

対する7位の札幌は、前節の柏レイソル戦で5-4の打ち合いを制している。第15節の名古屋グランパス戦で止まった勢いを取り戻すためにも連勝を飾りたいところ。今節は菅が出場停止でメンバー外となり、宮澤がスタメンに戻ってきた。

キックオフ直後、いきなり鳥栖の岩崎が左サイドから仕掛ける。ドリブルでボックス内に侵入すると、中央へグラウンダーのクロスを送るが、味方は走り込んでいない。

一方の札幌は4分、右サイドのFKから鳥栖ゴールに迫る。キッカーの浅野が左足で精度の高いクロスを送ると、岡村がヘディングでシュート。しかし、これは惜しくもゴール右に外れる。

6分にも札幌がチャンスを作る。右ハーフスペースでボールを受けた金子がドリブルで切り込み、ボックス内で左足シュート。これは相手DFに当たってタッチラインを割ったが、ゴールの可能性は感じさせた。

両チームともに攻めあぐねる時間が続く中、札幌にアクシデントが発生する。24分、ピッチに座り込んだ小柏が担架で運び出され、スパチョークがピッチへ。手痛い負傷交代となってしまった。

32分、鳥栖が長沼を起点に札幌ゴールを脅かす。長沼がドリブルで右ポケットまで持ち込むと、一度ボックス右外にいた原田へバックパス。ここから原田、森谷、長沼とテンポよくパスが繋がり、長沼がタッチライン際の角度のないところから右足でシュート。これはGK菅野に防がれたが、こぼれ球に岩崎が反応。ゴールネットを揺らしたが、長沼のオフサイドにより、惜しくもノーゴールの判定となった。

すると40分には札幌が反撃に出る。田中駿がボックス内の浅野に浮き球のパスを通すと、浅野の右足のシュートは阻まれたが、立て続けに左足でシュート。GK朴一圭がわずかに触ったボールはクロスバーに当たって跳ね返り、今度は駒井が2度シュートを放つ。相手DFに防がれたボールを、最後はルーカス・フェルナンデスが狙ったが、シュートは枠を捉えることができなかった。

ただ、ゴールに迫っていた札幌は勢いそのままに先制する。43分、左サイドで得たFKのキッカーを浅野が務めると、ファーに飛んだクロスを岡村が折り返す。ボックス内左に飛んだボールを今度は宮澤が折り返し、これに中村が反応。ヘディングで押し込んだボールが右サイドネットを揺らした。

追う展開となった鳥栖は後半頭からカードを切る。森谷に代えて、堀米を投入。前線に変化を加える。

しかし、良い形で後半に入ったのは札幌だった。47分、両サイドから波状攻撃を仕掛けると、ボックス手前にいた田中駿にボールが渡り思い切りシュート。しかし、鳥栖のファン・ソッコが足に当ててコースを変え、CKに逃れた。

鳥栖の交代の効果が出たのは53分。左サイドのハーフウェイライン手前で菊地がパスカットすると、自ら持ち上がり、中央の堀米へパス。そのまま駆け上がった菊地がボックス左角付近でリターンパスを受けると、左足で低いクロスを送り、札幌のオウンゴールを誘発した。

これで流れを掴んだ鳥栖は、56分にもチャンスを作る。右からのCKを原田がアクロバティックに折り返すと、中央にいた小野がトラップでボールを浮かす。左足でボレーシュートを放ったが、クロスバーをかすめるに留まった。

勢いに乗る鳥栖は61分、左サイドでボールを持った堀米が左足で中央へクロス。これを小野が頭で合わせ、地面に叩きつけたが、シュートを枠に飛ばすことはできなかった。

前半以上に攻め合う展開となったが、両チームともに最終局面で粘りを見せる。札幌は福森、キム・ゴンヒ、深井、鳥栖は河田、藤原、藤田を投入してテコ入れを図ったが、決定機を作り出すことはできなかった。

終盤に入ると、鳥栖がセットプレーからゴールの可能性を探る。途中出場の藤田のロングスローで攻撃の圧を強め、90分にはFKから惜しいシーンを作る。藤田が浮き球のパスを前線に送ると、ボックス内の河田が頭でフリック。このボールに2人ほど走り込んだが、そのままタッチラインを割ってしまった。

結局、互いに攻め込むも最後までスコアは動かずに試合終了。1-1で勝ち点1を分け合う結果となった。後半に追い上げた鳥栖は、リーグ戦無敗記録を「6」に伸ばしている。

サガン鳥栖 1-1 北海道コンサドーレ札幌

【鳥栖】

OG(後8)

【札幌】

中村桐耶(前43)

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