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世界の要人が集まったG7広島サミット(5月19日~21日)。
そこで振る舞われた料理は、「日本の食文化を世界に発信する」という大切な役割を担っています。
日本料理のレジェンドが選んだのは…
京都「菊乃井」 村田吉弘 さん
「お好み焼きを食べてほしいやん、世界の要人に」
使われたのは、“特別なソース” 。
オタフクソース 髙橋宗一郎 さん
「とことんこだわって、悔いのないように」
そこにはソース開発者の思いが詰まっていました。
オタフクソース 藤田陽子 さん
「40年間のわたし自身の集大成という熱い思いも込めて…」
「世界の首脳をおもてなし ~ 創業100年の思いが詰まった “特別ソース” 」に注目します。
G7広島サミットが終わって半月が過ぎました。サミットでは、各国要人をもてなすため、いろんな料理が振る舞われましたが、広島を代表する食品メーカーも参画していました。
京都にある老舗料亭「菊乃井」です。
菊乃井 3代目主人 村田吉弘 さん
「光栄なことですからね。各国要人の方々に料理を出せるということが、料理人としてはありがたいこと」
菊乃井の3代目主人・村田吉弘 さんは、和食のユネスコ無形文化遺産登録に尽力し、世界に「WASHOKU」を広めた立役者です。
そんな日本を代表する料理人・村田さんが、G7広島サミットで腕を振るうことに…
村田吉弘 さん
「これは、カキ。広島だからお好み焼を作ろうと思って。広島来たら、やっぱりお好み焼きがおいしいから。お好み焼きを食べてほしいやん、世界の要人に」
サミット2日目(5月20日)の夕食会で招待国を含む出席者に提供されたのが、お好み焼き。カキを丸ごと1つ使うようです。ソースにもこだわりが…
村田吉弘 さん
「(ソースは)とろみとか甘みが砂糖とは違う。デーツ(ナツメヤシの実)。全然、添加物的なものは入っていないし、おいしいと思うよ」
ヘラをふだん使わない海外の人たちにも食べやすいようにと、一口サイズにして完成です。
選ばれた “特別ソース” とは…
河村綾奈 キャスター
「サミットで提供された『岩牡蠣(いわがき)のお好み焼き』に使われたのが、オタフクソース(広島市)の “特別なソース” だそうです。さっそくお話をうかがってきます」
“特別ソース” を企画したプロジェクトメンバーの髙橋さんです。
オタフクソース 家庭用商品企画課 髙橋宗一郎 さん
「オタフクソース100周年を迎えるにあたって、パートナー企業さんへ、ともに歩んでいただいたということで感謝をお伝えしたいという思いから、今回、この記念品を作っていこうと」
ソースは、サミット用に作られたのではなく、100周年の記念に菊乃井に贈られたものです。
髙橋宗一郎 さん
「100周年の取り組みの一環で(菊乃井に)ごあいさつさせていただいたときに、この商品の味も見ていただいたそうで。そこで今回、G7の方にも使っていただけるということで、わたしたちも驚いた部分が大きかったんですけども」
贈答品セットは3段積み、オタフクソースの歴史を物語っています。
髙橋宗一郎 さん
「一番下が創業の商品である『お酢(寿し酢)』、真ん中がソースを作り始めたということで『ウスターソース』、最後にお好み焼き店さんと一緒にお困りごとを解決するということでともに作り上げてきた『お好みソース』。100年の積み重ねを表現させていただいております」
ソースの製造からボトルデザインまで社員みんなで考案しました。
髙橋宗一郎 さん
「みんなで作り上げるという社風があるので、この商品自体も何かしらどこかで社員の手が加わっているというのが特徴かなと思います」
河村綾奈 キャスター
「まさにみなさんの知恵とか好奇心とか興味が結集したような1本なんだな…、1本なのか、3本なのかわかんないけど」
社員の手作りでできた特別ソースは限定3200個で、市販の予定はないそうです。
河村綾奈 キャスター
「お好みソース『永遠(とわ)』の開発を担当された 藤田陽子 さんです。よろしくお願いします」
市販のオタフクソースと “特別ソース” 食べ比べ
まずは、市販されているおなじみのオタフクお好みソースの試食です。
河村綾奈 キャスター
「大好き、いつもの安心する味わい」
続いて、首脳たちも口にされた特別ソース「永遠」を試食です。
河村綾奈 キャスター
「おお。濃い」
オタフクソース 開発課 藤田陽子 さん
「濃いんです。うま味がギュッと詰まっています」
河村綾奈 キャスター
「いろんな味がパンパンパンって花を開くような味わいですね。特別感があります」
お好み焼きにつけて試食してみました。
河村綾奈 キャスター
「お好み焼きと合わせるとまた違いますね。ソースのうま味とあと、お好み焼き自体のおいしさを引き立ててくれるような、すごく優しいというか」
藤田さんは入社以来、ソース開発に携わってきました。
藤田陽子 さん
「40年間のわたし自身の集大成という熱い思いも込めて作りました。目指す味は、やっぱりオタフクらしいっていったら優しい味ですかね。食べられるみなさんの笑顔を思いながら作りました」
河村綾奈 キャスター
「市販されているオタフクソースとの違いは?」
藤田陽子 さん
「特別ソースは、野菜・果実は国産のものを使わせていただいているんですけども。市販のものは生産量が多いので全部、国産っていうわけにいかないので、世界中の原料を集めて厳選して、昭和27年にお好みソース発売以来、ずっとお好み焼き店さんのご意見を聞きながら磨き続けて、今の味があります」
トマトや玉ねぎ・リンゴなどは国産、新入社員が研修で作ったキャベツも使っているそうです。香辛料やだしにもこだわりました。
河村綾奈 キャスター
「このソースが出来上がって試食をされたときは、どう思いましたか?」
オタフクソース 開発課 藤田陽子 さん
「わたしの中では『できた!』。テニスをやっていたんですけど、テニスボールがラケットの中心に当たったあの感覚。やったって感じ」
サミットの料理を任された京都の菊乃井には先月、旅行で訪れたそうです。
オタフクソース 開発課 藤田陽子 さん
「(菊乃井は)もう料理は言うこともないんですけど、器・盛り付け・おもてなし、全て感動して帰りました。そこのご主人に認めていただいて、本当に感動しました」
河村綾奈 キャスター
「長くオタフクソースの歴史や広島のお好み文化の歴史の一端を担ってきた藤田さんですけど、これから目標とか、ビジョンはどうですか?」
オタフクソース 開発課 藤田陽子 さん
「先人が作られたソースをずっと磨き続けていきたいです。社員みんなで守っていきたいです。この名の通り、“永遠” に続きますようにっていう感じです」
河村綾奈 キャスター
「開発担当者の藤田さん、企画担当の髙橋さんとも特別ソース『永遠』がサミットで使われていたことは、RCCの取材があるまで知らなかったそうです。市販のお好みソースが使われていたと思っていたので、うれしさが大きかったそうです」