農業高校の生徒が育てた “極上ハム” 江田島のレストランで販売 島のオリーブでブタ飼育

農業高校の生徒たちが飼育した「極上」の豚肉を使ったロースハムが完成し、広島・江田島市のレストランで販売が始まりました。極上の秘密は、江田島市などで作られるオリーブにありそうです。

江田島市にあるレストラン「オリーブファクトリー」です。テーブルに運ばれて来たハムが、販売を始めたロースハムです。

東広島市にある西条農業高校 畜産科の生徒たちが加工しました。ブタは、生徒たちが育てたもので、格付け団体が最高ランク「極上」に選んだ豚肉を使っています。

極上は、昨年度、出荷された国産豚肉の中でわずか0.7パーセントしか選ばれなかったほど貴重な食材です。

ロースハムを食べた人たち
「オリーブオイルとの相性がすごくいいと思って、ワインと一緒に飲めたら一番いいですけど」
「(極上を)食べることはないですね。とろけるような感じでおいしかったです」

そんな貴重なブタを飼育することができた秘密とは…

畜産科は、15年以上前から広島県内のさまざまな地域資源をブタに与える研究をしています。

西条農業高校 畜産科 石井朝子 教諭
「地域に還元できるような豚肉を作りたいというところがスタートです。全てがブタのえさにできるかといって、なかなかそういうわけではないので」

生徒
― それは何?
「これは、オリーブのしぼりかすです」

オリーブをしぼると、97パーセントがかすとして廃棄されることを知り、活用することにしました。江田島などで年間400リットルのオリーブオイルを生産する「山本倶楽部」と連携して、「ポマス」と呼ばれるオリーブのしぼりかすを飼料に入れる取り組みを去年から始めています。

しかし、ポマスはペースト状で、多くの水分や種を含んでいるため、保存しにくいといった点に苦労したといいます。

畜産科 3年 児玉健吾 さん
「ブタはにおいは嫌がらないけど、この小さい種を嫌がっていました」

試行錯誤した結果、ポマスに米ぬかを混ぜて2日間乾燥し、ミキサーで粉末状にすることで保存性を高めることに成功しました。

畜産科 3年 吉本綾 さん
「ペースト状でそのまま乾燥させると硬くなるので、米ぬかを使って水分調整をして乾燥すると扱いやすくなったので」

今回、ポマスと、「極上」ブタに選ばれた因果関係は、これから研究していくということです。

畜産科 2年 川西堅太 さん
「がんばって育ててきたブタが食べてもらったり、極上に選ばれたりして、うれしいですし、誇らしい

西農高校 畜産科は、ポマスで育てたブタを多くの人に食べてもらおうと、「オリーブポーク極」としてブランド化することにしています。

生徒たち
「西農ブランド豚を使ったロースハム、ぜひ、食べに来てくだ下さい!」

© 株式会社中国放送