相川七瀬さんが文化絶賛 栃木市政策フェローが提言 「最強のコンテンツが残っている」

市の魅力や可能性を語り合う相川さん(右から2人目)大川市長(同3人目)ら

 栃木市主催の栃木県誕生150年祭の一環で、歌手の相川七瀬(あいかわななせ)さんら市政策フェロー3人と大川秀子(おおかわひでこ)市長による意見交換会が10日、入舟町のキョクトウとちぎ蔵の街楽習館で開かれた。4人は「世界から見た市の魅力と可能性」をテーマに、蔵の街や伝統文化の価値を市民が再認識する重要性、デジタルを活用した発信で市外のファンを獲得するアイデアを語り合った。

 市民ら約100人が出席した。冒頭、相川さんと、内閣府クールジャパン官民連携プラットフォーム事務局長で市出身の渡辺賢一(わたなべけんいち)さんのフェロー就任式が行われた。

 意見交換会では、国学院大で伝統文化を学ぶ相川さんが、地域の衣食住の文化が詰まった祭りの重要性を強調した。約150年前が起源の「とちぎ秋まつり」や人形山車、小江戸の文化を挙げ「市には最強のコンテンツが残っている」と市独自の文化を絶賛した。

 今後の抱負として「皆さんには当たり前でも他の人から見ると宝の山。文化的な宝探しをするつもりで関わりたい」と述べた。

 4月からフェローを務める内閣府クールジャパンプロデューサーの陳内裕樹(じんないひろき)さんは巴波(うずま)川沿いの風情の魅力に触れ、浅草から外国人を戦略的に引き込むことを提案。「変化を求めていないのならもったいない」と指摘し、デジタルの手法を交えて、企画より発信に労力をかけるよう求めた。

 渡辺さんは住民自身が街の価値を認識するため、異文化と接触し続ける必要性を訴えた。市外のことを俯瞰(ふかん)して考えた上で「栃木に住民票を持っていないファンとつながっていくことが重要」と説明した。

 大川市長は「住んでいては気付かないことを指摘してくれた。先人が築いた歴史を次の世代につないでいくため、上手に発信し、異文化との化学反応をつくっていきたい」などと応じた。

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