不安続く 記録的大雨で被害相次いだ静岡県内の被災地では…雨の合間に復旧作業 次は台風接近か

6月に入り、静岡県内では記録的な大雨によって、各地で被害が相次いだ。その後も雨となる日が続き、被害が出た地域の住民は不安な日々を過ごしている。

記録的な大雨で浸水被害が相次いだ沼津市。今週の大雨で被災した住民や被害を受けた施設では再び緊張感が高まった。

=記者リポート=

「先週金曜日にこの放水路があふれだして病院を襲った。今は雨の影響で、勢いよく流れている」

沼津市大岡のきせがわ病院は、先週の記録的大雨で泥水が流れ込み、1階のリハビリ施設が浸水…。水は床上1.5メートルにも達し、多くのリハビリ機器などが水に漬かった。

沼津市は今月8日、浸水被害の原因となった、故障した排水ポンプに代わる「仮の排水ポンプ」を設置。また国交省の排水ポンプ車など5台を導入した。それに加えて、現地では、市の職員が24時間の監視体制を組んだ。

=沼津市河川課の職員=

「ずっとここに張り付いている、雨が強くなった時や、時間ごとに、川の水位に異常がないかを確認している、手動でポンプを動かさないといけないので向こうで監視するよりも、こっちで監視した方が行動が早い」

去年の台風15号と、先週の記録的大雨によって2度堤防が決壊した磐田市の敷地川。

=記者リポート=

「堤防が決壊した敷地川。川は大雨の影響から濁り、流れが速くなっている。また雨の中急ピッチで復旧作業が続いている」

磐田市では、6月8日までに床上・床下浸水の被害が計47軒確認されている。こうした中、復旧作業を続ける住民の中には体や心に疲れを感じている人も。

=住民インタビュー=

「心配だよね、いつまた崩れるのか。早急にやってもらわないと。頑丈にやってももらわないとね、土のうだけじゃなくて」

「ひとまず工事は、一通りしてもらえていたので、不安はありながらも、3度目が来たならもう一回、皆さんに頭を下げて頑張るかというぐらいの気持ちでいる」

一方、被災した住民に対する生活再建に向けた支援の動きも始まった。10日、磐田市では、浸水被害を受けた被災者を対象に県弁護士会による「支援制度の説明会」が開かれた。

説明会では、防災士でもある永野海弁護士が、住宅や生活の再建のために活用できる支援制度について種類や制度が受けられる条件、申請の仕方などを説明した。永野弁護士は、被災地で多発する

詐欺被害などにも注意を促した。

=永野海弁護士=

「詐欺が横行する。“修理の見積りをタダでしてくれる”って来たら、みんなでちゃんとチェックをして、どんな紙を置いていったのかとか、印鑑を押してしまったとか、そういった事を声掛けをする様にしてほしい」

この説明会に参加した住民の多くは、去年9月の台風15号でも被災。メモをとりながら真剣に耳を傾けていた。

=説明会に参加した住民=

「専門家なので知らないことをけっこう沢山聞いたので、いい参考になった。」

=永野海弁護士=

「2回目の被害を受けた地区ということもあって皆さん本当に疲れている。何から始めていいかという思いでいっぱいだと思う。そんな中で少しでも次の1歩目をこう踏み出せばいいという道しるべとなるような説明ができたらいいと思ってやった」

記録的大雨による深い爪痕が残る静岡県内。今週の大雨に続いて今度は台風3号が北上。被害が出た地域の住民は不安な日々を過ごしている。

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