婚活中の男女、AIで相性マッチング 京都府支援でなりすまし防止も

京都府が始めた婚活支援システム「きょう婚ナビ」。AIが相性の良い相手を自動で見つけてくれる

 京都府は、結婚を希望する男女の相性をAI(人工知能)が判定し、マッチングするシステム「きょう婚ナビ」の運用を始めた。112の質問に答えると、価値観が近い人を自動で見つけてくれる仕組みだ。自治体設置の安心感を売りに婚活に踏み出せるよう後押しするのが狙いで、府内の出生率低迷をAIが解決できるのか、注目される。費用は約2千万円。

 対象は、府内在住・在勤の20歳以上の人。府外在住でも結婚後府内に移住する意思があれば利用可能になる。機能は二つあり、一つは、EQアセスメントと呼ばれる価値観診断テストに答えると、AIが相性の良い相手を登録者の中から見つけ出すサービス。もう一つが会員自ら希望する相手を探し、お見合いを申し込むサービスだ。

 登録には、本籍地のある市町村が発行する独身証明書を提出し、府が開設する「きょうと婚活応援センター」(京都市中京区)の職員による面談(オンライン可)を受ける必要がある。民間のマッチングサイトが多数ある中、真剣な交際を求める人に利用を限定し、なりすましを防止する。

 2021年の府内の婚姻数は9417組で、1947年以降初めて1万組を割り、同年の合計特殊出生率は1.22と全国で41番目にとどまる。府は、婚姻数減少の背景に結婚に対する価値観の多様化に加え、結婚したくても相手と出会う機会が少なくなっていることが一因にあると分析。出会いの機会を提供することで少子化対策につながればと、2015年度に同センターを設置し、婚活イベントの開催などに取り組んできた。

 きょう婚ナビは、他府県にも婚活支援システムを提供している「タメニー」(東京都)のシステムを改修し、4月から本格稼働させた。利用料は無料だが、利用開始時に1回限り、実費相当額として3千円を支払う必要がある。特別キャンペーンとして、本年度中に使い始めれば無料。

 すでに約800人が登録している。府こども・青少年総合対策室は「民間の婚活サービスは手軽さはあるが、費用面などで利用をためらう人も一定いる。安心安全で、低廉なサービスとして利用していただき、少子化対策につながれば」としている。

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