“訳あり”フルーツの割安セットを限定販売 初回はメロンやサクランボなど、福井県鯖江市の企業

規格外の果物を集めて販売をスタートさせた「ロスヘル」の配送パック=6月6日、福井県越前市矢船町

 全国に向けて規格外野菜の定期配送サービスを展開するエクネス(本社福井県鯖江市上河端町、平井康之社長)が、6月から新たに果物パックの販売を始めた。昨年廃止となった武生総合食品市場(越前市矢船町)の跡地に倉庫兼集荷場を移転し、市場の冷蔵室を再利用することで取扱品を果物まで拡充。初回は傷などが原因で出荷できないメロンやさくらんぼなどのセットを6月21日まで期間限定で販売する。

 エクネスは、昨年5月にフードロス削減事業「ロスヘル」を開始。全国の農家やJA約50カ所からサイズや形で規格から外れた野菜を仕入れ、首都圏を中心とする約3千世帯に定期配送している。従来は倉庫に冷蔵機能がなかったために果物は対象外だったが、今年4月から旧市場の冷蔵室で傷みやすい果物や葉物野菜も一時保管できるようになり、取り扱える商品の幅が広がった。

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 初回に配送するのは、生育段階で網目模様が粗くなったり、色や形がいびつになったりした重さ1キロ前後の茨城県産のメロン2個(赤肉1個、青肉1個)と、春先にひょうが降って傷が付いた富山県産のサクランボ「紅さやか」1パック。ほかに余剰輸入品となった外国産のオレンジ、キウイも数個ずつ入る。

 料金は2900円(税別)で、正規品だと市場価格4千円相当になるという。別に送料385円が必要。

 2日から交流サイト(SNS)などで告知を始め、6日現在で既に120件の注文が入った。うち約8割は野菜配送のサービスを使ったことがない新規顧客で、今回の果物パックに野菜の割引クーポンを同封するなどして利用客拡大の機会としても活用していく。

 2030年までに年間10万トンのフードロス削減達成が同社の目標。担当者は「味には全く問題がないのに捨てられてしまう果物を救うための新サービス。今後も入荷の状況に応じ、果物の配送も行っていく」と話す。注文や問い合わせは同社ホームページ(「ロスヘル」で検索)から。

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