【“撮り鉄”トラブル】静岡・沼津市でも…撮影目的で踏切「非常ボタン」押したとして神奈川・横須賀市の高校生が書類送検 

鉄道の写真を撮る愛好家「撮り鉄」によるトラブルが全国で相次いでいる。静岡・沼津市でも「撮り鉄」の高校生が、電車を止めて撮影しようと踏切の「非常ボタン」を押すという事案が起きた。取材を進めるとこの場所は、愛好家の中では言わずと知れた撮影スポットだった。

(坂井太一 記者)

「電車が走ってきました、神奈川から来た男子高校生は電車を止めて撮影しようと非常用ボタンを押したということです」

12日、威力業務妨害の疑いで書類送検されたのは、神奈川県横須賀市の17歳の男子高校生。警察などによると、男子高校生は2023年1月7日、午前7時前から約20分の間、沼津市内にある東海道線踏切の6か所の「非常ボタン」を押し、電車を運休させたなど業務を妨害した疑いがもたれている。男子高校生は、いわゆる「撮り鉄」で、「電車を撮りたくて非常ボタンを押した」と話し容疑を認めているという。

(坂井太一 記者)

「近所の人によりますと、何人かの撮り鉄はこのエリアを訪れていたということです、ここは線路にも近く、撮影するにはベストポジションだったとみられます」

(近所の人)

「毎日来ている、同じ人ではないけれど、2~3人は来ている、時間はばらばら」「カメラ持ってる、しっかりしたカメラを」

(近所の人)

「毎日ほとんどいる、誰かが電車を見ている」「ちょうどカーブになっているから、結構いい写真が撮れると思うけど、マナー守って普通に撮ってほしい」

(近所の人)

「一生懸命、線路をのぞいている」「自分の趣味とか勝手な思いだけで非常ボタンを押すのはいけないことだと」

そもそも「非常ボタン」は、線路上や踏切でトラブルがあったときに危険回避の為に押すもの。男子高校生の“あるまじき行為”により、当時、29本の列車に運休や遅れが生じ、約4970人の利用客に影響がでた。

全国でも相次ぐ「撮り鉄」による“鉄道トラブル”。

3日、栃木県では「撮り鉄」3人が“線路のすぐわき”の敷地に侵入。7年ほど前に定期運行を終え、この時期は週に1度しか姿を見ることができない「カシオペア」を撮影しようとしていたのだ。電車は緊急停止し14分の遅れが出る事態に…。警察は現在、3人の特定や当時の状況を捜査している。また、長泉町でも2023年1月、4人の「撮り鉄」が走行中の電車を撮影しようと線路内に侵入…。警察は4人を特定し、鉄道営業法違反の疑いで書類送検した。

後を絶たない「撮り鉄」の“悪質行為”。JR東海は「列車の安全な運行を阻害するような行為は控えいただきたい、それぞれがマナーを守っていただくことが重要だと考えている」とコメントしている。

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