女子野球 監督と選手たちの絆 はつかいちサンブレイズ 優勝目指して

地元・広島の女子野球チーム「はつかいちサンブレイズ」―。中四国のチームで行われている2年目のリーグ戦を戦っています。そこには監督と選手たちの絆がありました。

広島市 佐伯区の山あいにある住宅団地。野球に汗を流す女性たちの声が響きます。はつかいちサンブレイズは、2021年の創立で、廿日市市の建築会社「ダイサン」の企業チームです。

近年、女子野球の活動は盛んで、サンブレイズは中四国の19チームが参加するルビーリーグで1年を通して戦っています。

キャッチャーの 村松珠希 は、侍ジャパンに選ばれ、先日、香港で行われたアジアカップに出場し、優勝を果たしました。

守備では鋭い送球、バッティングでは豪快なスイングが魅力の村松ですが、はつかいちサンブレイズに入団した背景には、ある人物の存在がありました。

はつかいちサンブレイズ 村松珠希 選手
「もともと、岩谷監督とは女子プロ野球の時に2年間、同じチームでプレーさせてもらっていて、やっぱりそのときからまだ自信もなくて、ウジウジ悩んでいるときもあったんですけど、気づいて、声をかけて喝を入れてくれるっていった面で本当にわたし自身、救われましたし、そのときから尊敬する選手なので、広島ではつかいちサンブレイズの監督をやるって聞いたときに、また岩谷選手のもとでやりたいなっていうのと、まだ、“選手 兼 監督” なので、また一緒にプレーしたいなって…」

村松が慕っているのは、サンブレイズの選手 兼 監督を務める 岩谷美里 。選手としてはことしで引退を決意しています。

岩谷は、元女子プロ野球選手で、2017年には首位打者・最多打点・最多本塁打の三冠を獲得したレジェンドです。

はつかいちサンブレイズ 岩谷美里 監督
「以前、村松も(同じチームに)所属していたんですけど、『一緒にやろうや』って声をかけさせてもらったところがスタートですね。女子プロ野球時代は、最終的に同じチームだったときは村松が3番でわたしが4番でクリーンアップ任されていた」

去年、サンブレイズはあと一歩のところでルビーリーグ優勝を逃し、準優勝…。

岩谷美里 監督
「もっとできるっていう気持ちがすごく残ったシーズンだったんですよね。それが去年。(最後に)負けてしまったというところが、すごく屈辱的だった」

そして、もう1人。チームのエース・磯崎由加里 も、岩谷を慕ってサンブレイズに入団した選手です。

はつかいちサンブレイズ 磯崎由加里 選手
「岩谷監督の選手(として)、ラストシーズンになるので、やっぱり優勝して、みんなで胴上げして、全勝して優勝したいなと」

迎えた11日。この日は、岡山学芸館高校との戦い。社会人・大学・高校のチームが混じって戦いますが。高校とはいえ、部員数33人の強敵です。

サンブレイズの先発は、エース・磯崎。試合は1回、岡山学芸館の打線につかまり、磯崎はいきなり2点を失ってしまいます。

追いかける展開のサンブレイズ。3回、ノーアウト・2塁・1塁で打席には岩谷監督を慕う村松。なんと、送りバント。これが、絶妙の場所に転がり、相手の悪送球もあって一挙、2点を勝ち越します。

エース磯崎は、持ち直し、得意のカーブを交え、好投。追加点を許しません。

その後は、自慢の打線がつながったサンブレイズは、ルビーリーグ3連勝。優勝を目指す戦いが続きます。

はつかいちサンブレイズ 岩谷美里 監督
「ちょっと最初、どうかなというところがあった。できるだけ最小失点で抑えてほしいというのは、もちろんあるが、やっぱりどれだけ取られても、こちらは取り返すということを常に言っているので 、『全然、気にしなくていいよ』というところで声をかけて、そんな接戦をするつもりはないということを選手には言ったので、それが結果としてはみんな、よく打ってくれたのでよかったです」

はつかいちサンブレイズは、今週末、三次市 甲奴町のカーター記念野球場でルビーリーグを戦います。

はつかいちサンブレイズ
17日(土)午前10時~ MSH医療専門学校と対戦
18日(日)午後2時~ 高知中央高校と対戦

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