【シンガポール】実業家ゴー氏、独立系として大統領選出馬へ[政治]

シンガポールの大統領選への出馬を表明した実業家のジョージ・ゴー氏(同氏ホームページより)

シンガポールの実業家ジョージ・ゴー氏(63)は、どの政党とも関係を持たない独立系の民間出身候補者として次期大統領選挙に出馬する。与党・人民行動党(PAP)系の人物のみが大統領に就任してきた現行の体制に疑義を呈している。

ゴー氏(中華名はゴー・チンワー)は、アパレル会社オシア・インターナショナルの会長を務める。過去40年で、シンガポールや英国で上場する5社を含む100社余りの企業を所有・運営してきた。オーストラリアの家電・家具販売大手ハービー・ノーマンを、シンガポールに進出させたことでも有名だ。

同氏は12日、自身のホームページで大統領選に出馬する意向を公表。先に出馬を表明したターマン・シャンムガラトナム上級相兼社会政策調整相について触れ、政府による準備金の利用や公共部門の人事を監督する立場にある大統領のポジションを、与党に深く関わりのある人物が担おうとすることについて疑問を投げかけた。

シンガポールでは民間出身の人物が大統領に立候補する要件として、株主資本が5億Sドル(約520億円)以上の企業の最高責任者を、黒字経営で3年以上務めることなどが求められている。

同氏は「こうした規模の企業は1,200社ほどあるが、(政府資本が入っていない)民間人が経営する企業の数はさらに絞られる」と指摘。自身を「公共部門には一切従事したことがない完全な民間出身の候補者」として、選挙に出馬する意向を示した。

シンガポール選挙局は同日、13日から選挙令状発行後の5日間まで、大統領選挙に向けた候補者資格認定への申請受け付けを開始すると発表した。選挙は現ハリマ・ヤコブ大統領の任期が終了する9月13日までに行われる。

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