伝統の在来大豆、児童が種まき 茂木・中川小で今後継続 

種をまき終えた児童たちに「うれしい」と語りかける町井さん

 【茂木】中川小の児童が7日、地元の農家が100年以上種取りをして栽培を続けてきた在来大豆「小深(おぶか)在来」の種まきを行った。同校のある中川地区で受け継がれてきた伝統作物だが、同校が栽培に取り組むのは初めて。今後は毎年続け、伝統を継承していく考えだ。

 小深在来大豆は、小深、町井治子(まちいはるこ)さん(80)が、少なくとも祖父母の代から栽培し、近隣でも栽培されて食卓に欠かせない食材となってきた。甘みを感じる食味のいい大豆という。

 種まきには、同地区で有機農業と民泊を営む君島佳弘(きみじまよしひろ)さん(36)が収穫した種豆を提供し、3、4年生各10人が1人3個のポットに3粒ずつ種をまいた。町田でオーガニック野菜の流通販売などを手がけ、2017年から茂木小で同様に小深在来大豆の栽培を指導、助言している野原典彦(のはらのりひこ)さん(55)も協力した。

 種をまき終え、栽培方法を君島さんから教わった児童たちに、町井さんは「作ってもらえてうれしい。これまで作ってきた豆がこんなに広まると思わなかった」と語りかけた。

 4年生の大町圭道(おおまちけいどう)君(9)は「豆が取れるのが楽しみ」、小嶋来夢(こじまらむ)さん(10)は「なんでこの豆がおいしいか調べたい」と在来大豆に興味を持った様子だった。

小深在来大豆をポットにまく児童

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