栃木県日光市森友の会社員小林資治(こばやしともはる)さん(54)、明日香(あすか)さん(48)夫妻が市内各所に花を植える活動を続けている。7年前に埼玉県川口市から日光へ移住してきた2人。人口減少などで街の活気が失われつつあると感じていた。観光客など訪れる人に楽しんでもらいたいと願う一方、「ここに住む人がまちづくりに関心を持つきっかけになればいい」と話している。
都内の飲食店に勤めていた小林さんは、趣味の釣りやゴルフ、ツーリングなどでたびたび日光を訪れていた。仕事の関係で訪れることがあり、お気に入りだった欧州と日光の風土や歴史、文化などが共通すると感じ、明日香さんに移住を提案。一緒に訪れることも多く、やはり日光が気に入っていた明日香さんに異論はなく、2016年1月に夫婦で移住してきた。
ところが、住んでみると、人口流出や財政難など暗いニュースも耳にし「元気がない」と感じた。そこで何かできることはないかと考え、5年前から街角を花で飾る活動を始めた。
たった2人だが、「チーム ルネサンス日光」というボランティアチームを組み、市内のスーパーや東武鉄道、日光東照宮の協力もあり、それぞれが持つ駐車場の空いているのり面などに花を植えている。
「5月の連休明けにはタチアオイ、秋には紅葉、冬はロウバイ。四季を通して楽しめるようにしたい」と小林さん。現在はタチアオイが見頃を迎えている。「日光には素晴らしい素地がある。それが十分生かされていないような気がする。今の活動は『点』だが、これが広がりいずれ『面』になれば」と夫妻は口をそろえている。