ウクライナのダム決壊「日々の安心を奪った」 京都で避難民が支援訴え

ダムが決壊した現地の様子を伝え、支援を呼びかけるザウル・ナビエブさん(中央)=13日、京都市下京区・四条河原町交差点

 ウクライナ南部の大規模洪水から1週間となった13日夜、京都に身を寄せているウクライナ避難民の有志が京都市内で現地への支援を訴えた。被災者は8千人超に上り、飲料水や食料が不足しているとし、募金への協力を呼びかけた。

 ウクライナでは、6日に水力発電所のダムが決壊し、多数の住民が避難を強いられている。同国政府は、これまでに少なくとも計19人が死亡したことを明らかにした。救援活動はロシア軍の砲撃に妨げられているという。

 この日は、募金活動を企画したウクライナ避難民を中心に約30人が、下京区の四条河原町交差点に集まった。道行く人に現地の惨状を伝えるとともに寄付の協力を求めるビラを配り「ウクライナを応援して」と訴えた。

 ダムがあるへルソン地方出身で、京都先端科学大(京都市右京区)に留学しているザウル・ナビエブさん(19)は「ダムの決壊は生活を支えるインフラだけでなく、日々の安心を奪い、人々が何十年もかけて培ったものが洗い流された。ウクライナに平和を」と何度も繰り返した。

© 株式会社京都新聞社