人形劇「ポレポレ」結成30周年 陸前高田で震災越え地道に活動

記念公演で披露した「番ねずみのヤカちゃん」。人形や道具は手作りだ

 陸前高田市の人形劇グループ「ポレポレ」(馬場幸子代表)は結成30周年を経て、地道に活動を続けている。東日本大震災で仲間を失いながらも立ち上がり、子どもたちに笑顔を届けてきた。団体名は、スワヒリ語で「ゆっくり、のんびり」の意。メンバーはその精神を忘れず、一歩ずつ前へ進む。

 同市の米崎地区コミュニティセンターで11日に行った記念公演。演目に選んだのは新作の「番ねずみのヤカちゃん」だ。

 ポレポレは1992年に主婦15人で発足した。素人のメンバーは他団体の公演を見て表現方法や技術などを学び、小道具や舞台セットも手作り。市内外の保育所や学校などで40以上の演目を演じてきた。

 だが、震災津波で9人いたメンバーのうち3人が犠牲となり、稽古場や人形、台本も流失した。それでも、「今までやってきたものを失いたくない」と活動の継続を決断。さまざまな支援を受け、2012年に公演を少しずつ再開し、13年には20周年記念事業をやり遂げた。

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