高根沢の女性遺棄、被害者母「人間でなくて鬼」と非難

女性の遺体が発見された現場周辺の山林=2022年1月、宮城県白石市

 夫と妹と共謀しさくら市内のアパートで女性を監禁、暴行して死亡させ、遺体を宮城県白石市の山林に遺棄したとして、傷害致死や監禁、死体遺棄の罪に問われた矢板市生まれ、住所不定、無職女被告(27)の裁判員裁判論告求刑公判が14日、宇都宮地裁(瀧岡俊文裁判長)で開かれた。検察側は「(被害女性に)大きな苦痛を伴う残虐な暴行を加えた。心身両面から虐待した」などとして、懲役8年を求刑。弁護側は傷害罪の成立にとどまるなどとし、執行猶予付き判決を求めた。

 傷害致死などの罪に問われた女被告(27)の裁判員裁判論告求刑公判で、死亡した高根沢町、職業不詳女性=当時(24)=の母親が書面で意見陳述した。厳罰を求める処罰感情を記し、公判で明らかになった被告らの残虐な行為を踏まえ「そんなことができるなんて、人間ではなくて鬼だ」と非難した。

 法廷で検察官が書面を読み上げた。女性について「争いごとが嫌いで、『ノー』と言えない」などと優しい性格だったと振り返った。「『守ってあげられなくてごめんね』と伝えたい」と思いをつづった。

 公判での女は反省しているようには見えなかったとし、「死ぬまで刑務所にいてほしい」との心情を明かした。

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