4年ぶりに音を通じた国際交流 米ノースダコタ大生、姉妹都市・鹿沼へ 演奏会共演、指導も 

児童にマンツーマンで指導する学生(左)

 【鹿沼】市と友好都市関係にある米国ノースダコタ州グランドフォークス市のノースダコタ大音楽部の学生らがこのほど、4年ぶりに市を訪れ、地元の音楽団と共同でコンサートを開いた。1週間の滞在期間中、市内の小中学校に赴き音楽指導も行い、新型コロナウイルス禍で中断していた言語の壁を越えた交流が復活した。

 音楽を通じて両市の友好親善を図る市の事業の一環。グランドフォークス市出身の外国語指導助手(ALT)が市内の小学校に勤めていた縁もあり、市は2015年に同市と友好都市関係を結んでいる。

 同大では「かぬまふるさと大使」を務める杉浦有朗(すぎうらなりあき)さん(48)が教べんを執り、2013年から19年まで毎年、学生と市を訪れコンサートを開いていた。4年ぶりとなる今回は、同大音楽部に通う120人の学生の中でも成績優秀な中国、韓国、ホンジュラス出身の学生3人が5月17~23日の日程で訪れた。

 市内の弦楽グループ「インテンポ」と協力し、文化橋町の市民情報センターマルチメディアホールで同20日にジョイントコンサートを開催すると、開場直後に約110席のシートが埋まり、立ち見客も見られるほどの大盛況となった。

 はじめに杉浦さんが「音楽を通じた人助けが自分の使命。不安を抱える人たちに演奏を通じて少しでも元気になってほしい」とあいさつし、学生それぞれが故郷のソロ曲を演奏するなど11曲を披露した。

 学生らは1週間、市内にホームステイした。滞在期間中は市内の小中学校で、部活動の演奏指導なども行った。東小音楽部を訪れた際は、弦の動かし方や強弱の付け方など熱心な指導は2時間に及んだ。6年阿部(あべ)みことさん(11)と同鈴木香帆(すずきかほ)さん(11)は「初めて教わることがたくさんあって勉強になった。コンクールでも生かせそう」と目を輝かせた。

 指導したピアノ担当の韓国籍キム・ウンソンさん(33)は「かなり疲れたけれど、子どもたちが喜んでくれていたのでよかった」と話していた。

大盛況となったジョイントコンサート

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