明治の風景写真 20年ぶり公開 県誕生150年で特別展 県立文書館で19日から

明治時代の写真を紹介する県誕生150年を記念した特別展=13日午後、県庁南館

 県立文書館は本県誕生150年を記念した期間限定特別展「栃木県下諸景撮影-明治17(1884)年の栃木県-」を19日から同館で開催する。県令三島通庸(みしまみちつね)が整備した陸羽街道(現国道4号線)沿いを舞台に、当時の貴重な風景写真24枚を約20年ぶりに実物で一般公開する。

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 特別展では宇都宮に移転した県庁のほか、小山宿や高根沢町宝積寺に架かる橋の写真などを紹介。当時の建物や人影、約9メートルに拡幅した道路に側溝が整備された様子を確認できる。

 明治37(1904)年に発行された本県全図に写真番号と場所を割り振り、どこで撮影されたのか一目で分かる工夫をした。実物を扱う関係で一般公開は30日まで。同館の担当者は「ぜひ写真で当時の様子に思いをはせてほしい」と来館を呼びかけている。

 また同館は常設展を3テーマにリニューアル。「近代栃木の電力事情」では電力会社の設立・合併の歴史などを紹介。電力供給の拡大に伴い、近代化する生活の変化にも焦点を当てる。

 「栃木県下の自由民権運動」では明治10年代を中心に活動家の動きに関する史料を紹介。「江戸時代-文書の時代へ-」では栃木・下野の村々が領主への抵抗を誓う傘(からかさ)連判の起請文のほか、芳賀の名主が所有していた婚礼料理の献立表などを展示している。

 

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