【静岡市中心街】施設閉館の一方で新動向も…今後どうなる?

7月に閉館することが決まった「静岡東急スクエア」など、大型商業施設の閉館が相次いでいる静岡市の中心市街地。その一方で、これまでとは違う新たな動きもある。今後、街はどのように変化していくのだろうか?

(増田大記 記者)

「若者文化の中心といわれる新静岡セノバ前のけやき通り、休日は多くの人で溢れますが、東急スクエアが来月閉店するなど人流減少が懸念されます」

7月17日に閉館が決まった、静岡市中心部の大型商業施設「静岡東急スクエア」。8月1日から「けやきプラザ」として新たにオープンする予定で、ビルを管理する静岡伝馬町プラザによると、現在営業している飲食や雑貨などの一部テナントを地下1階に集め、1階には大手雑貨店、2階には若者向けの衣料品店を誘致するため、交渉を進めているという。

(静岡マルイ スタッフ)

「51年間ありがとう静岡 どうもありがとうございました」

2021年には長年市民に愛されてきた「静岡マルイ」が51年の歴史に幕を下ろすなど、大型商業施設の閉館が続いている静岡市。懸念されるのは、市街地の空洞化によるにぎわいの低下。経済の専門家に話を聞くと大型商業施設の閉館には、ネット通販の台頭による消費の変化や“コロナ禍”の影響に加えて、“静岡の若者減少”が大きく関係しているという。

(静岡経済研究所 望月 毅 主席研究員)

「静岡県は若年女性が少なくなっている、主要顧客である女性が少なくなったことで、全体的に静岡市の中心街のファッション需要が減ってきた」「109は若い女性がターゲット、東急スクエアは雑貨店や婦人服など年齢層を広げて展開していたが、コロナの影響が大きかったと思う」

若い女性をターゲットにしたファッションの需要が減少するなかで、「商業施設には集客に繋がる”特色”が求められる」と話す静岡経済研究所の望月氏。「静岡マルイ」の跡地には、ホビー商品を取り扱う「駿河屋」の静岡本店が規模を拡大して移転し、2023年の夏にオープンを予定している。特色ある店舗の移転によって、中心市街地に新たな風が吹くのだろうか?

(静岡経済研究所 望月 毅 主席研究員)

「全国のホビーファンから注目されている、新しい層が入ってくる」「にぎやかさが出てくると人出は増える、老若男女集まって街を楽しむようになる」

そして、にぎわいを取り戻す一つのきっかけとして期待されているのが、静岡マルイ跡地の隣で建設が進められている高層ビル。このビルは地下1階から2階が商業施設となり、4階から13階には静岡理工科大学グループのキャンパスが入る予定。

(静岡経済研究所 望月 毅 主席研究員)

「大学のキャンパスが入ることで若い人が増えて、活気があふれる街に生まれ変わる、リニューアルするチャンスになる」「新陳代謝によって新しい街に生まれ変わるのはいいこと」

大きな変化の時期を迎えている静岡市の中心市街地。この変化が街に何をもたらすのだろうか。

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