「居る意味がない」決意を胸に臨んだインサイドハーフで圧巻のパフォーマンス、代表2戦目の旗手怜央は手応え「結果以外はやれたことが多い」

[写真:Getty Images]

日本代表MF旗手怜央(セルティック)が、エルサルバドル代表戦を振り返った。

15日、日本代表はキリンチャレンジカップ2023でエルサルバドル代表と対戦した。

開始1分でFKを獲得すると、谷口彰悟がヘディングで代表初ゴールを記録。すると2分にはミスを突いた上田綺世がボールを奪い倒されPKを獲得。相手も一発退場となると、上田がPKを決めてこちらも初ゴール。4分で2点のリードを得た。

その後も日本は圧倒すると、25分には久保建英、44分には三笘薫のシュートのこぼれ球を堂安律が押し込み前半だけで4-0。後半も中村敬斗の日本代表初ゴール、古橋亨梧のゴールと6-0で圧勝。新体制での初勝利を収めた。

この試合ではインサイドハーフで起用された旗手。自身の代表キャリア2試合目の出場となった。

三笘、久保、堂安、上田と今シーズンはクラブで数字を残してきた選手たちと攻撃を任された旗手。自身もリーグのMVP候補に残るほど、このポジションでは高く評価されてきた。

試合を振り返り「その選手たちだからこそ、僕が自分の役割ができなかったら自分の価値はないので、今日の試合は自分に課しているタスクでした」と語り、インサイドハーフで結果が出なければ価値がないと、自身に厳しい言葉を並べた。

試合は早い段階で日本有利な展開に。「最初の早い段階で1人退場しちゃったので、やるべきことをやって、ゴールなりアシストなりができれば良かったかなと思います」とコメント。「そこができないのが課題なのかなと思います」と、前線の選手で唯一ゴール、アシストが残らなかったことを反省した。

ただ、積極的にミドルシュートを放ったり、ボックス内に侵入する回数も多かった。前半はあわやというシュートを放ったが、「俺の時だけ頑張らないで欲しいなと思いました笑」と相手GKにコメント。「でも、そういう部分では随所に良さを出せたと思います」と、良さを出せた実感もあるという。

また、後半はボックス手前でボールを持った際、裏に抜け出す上田に絶妙な斜めのパスを供給した。

惜しくもオフサイドになってしまったが、「逆サイドも見えていましたが、律が走ったところで後ろに綺世がいるのが見えていたので」と視界に入っていて狙いすましたパスだったとコメント。「僕のタイミングが少し遅かったですが、僕なりにはあのタイミングが良いかなと思っていました。合わせていけば良くなるところなので、しっかり合わせて行きたいです」と、タイミングをよりすり合わせて、次は成功させたいと意気込んだ。

インサイドハーフでのプレーには「まず、そこに関してはスタッフ陣に感謝しています」とコメント。「ただ、そこで生きないのであれば、僕の価値はないと思っていました」と、インサイドハーフで活路を見出せなければいけなかったとした。

「今日チャンスを与えてもらったし、ここで自分の良さが出せなければ居る意味がないと思っていたので、そういった意味でゴールやアシストはないですが、今後も自分の良さは出せるかなと思いました」と、数字には残らなかったが、手応えを掴んだパフォーマンスだったと振り返った。

実際に90分間のフル出場で、常に上下動を繰り返し、守備にバランスに、そして攻撃にと動き回った。MVPクラスの働きを見せた旗手。代表デビューから1年とちょっと経ったが、セルティックでの成長は目覚ましい。

「自チームでもしっかりやってきましたし、それがピッチ上で発揮できたのかなと。やっぱり結果が出ていないですが、結果以外の部分でやれたことは多かったかなと思います」

チームでの手応えを胸に、この試合は川崎フロンターレ時代から知る守田英正ともコミュニケーションをとり、バランスをとっていた。

「ヒデくんはアンカーで、インサイドが律と僕で、律はボールを持てる選手で、自分で行ける選手で、そこの動きを見つつも、自分の良さはゴール前に出ていくところです」

「ビルドアップで下がる、下がらないというのはヒデくんと話しながらも、自分の良さを出すために前に行くというのは、ずっと話していました」

「左の(森下)龍矢や薫がボールを持った時にはハーフスペースに入るということを常に意識していたので、話しながらも自分の良さを出していこうとしていました」

バランスを取り、飛び出し、攻守にわたって活躍した旗手。その輝きを次のチャンスでも見せてもらいたい。

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