全九州高校大会 男子1500・川原など長崎県勢10人が全国切符

【陸上男子1500メートル決勝】2位と差を広げてゴールする川原(五島南、中央)=博多の森陸上競技場

 全九州高校大会は15日、福岡市の博多の森陸上競技場で陸上のインターハイ北九州地区予選(各種目6位以内、競歩は5位以内、女子棒高跳びは4位以内がインターハイ出場)が行われ、男子1500メートルは川原琉人(五島南)が3分48秒73で制し、井口愁斗(瓊浦)も3分55秒05で6位に入った。女子やり投げは勝見風李(対馬)が46メートル08で優勝した。
 長崎県勢はこのほか、女子走り高跳びの藤原華瑠子(純心女)が1メートル61の自己ベストをマークして2位。男子5000メートル競歩の吉田広大(佐世保工)は22分50秒04で3位、富田慧人(佐世保北)も23分9秒37で4位に入るなど、計10人が全国切符を得た。
 16日は同陸上競技場で陸上を実施する。

◎五島南・川原 「5000のため」の種目で快勝

 「5000メートルのため」と位置付けている中距離種目で、思わぬ好結果を出した。男子1500メートル決勝に臨んだ川原(五島南)が、ラストスパートでライバルたちを置き去りにして快勝。3分48秒73は今月初旬の県高総体でマークした自己記録を5秒以上も縮めた。「練習してきたことが、この舞台でも通用したのは素直にうれしい」と、まずは自身初のインターハイ切符獲得を喜んだ。
 残り1周で先頭集団は6人。川原は3番手あたりで残り200メートルまで我慢し、一気に仕掛けた。先に飛び出していた外国人留学生ランナーをすぐさま抜き去り、優勝候補だった谷本(大牟田)の猛追も届かない。2位に1秒以上の差をつけて悠々とゴールした。
 五島・福江島の北西部にある三井楽町で家族と暮らしながら、5000メートルで全国の頂点を目指している。タイムはもちろんだが、勝負へのこだわりも強く、実家近くにある農道の1キロ近い下り坂を利用してスピード強化に励んできた。1500メートルはその一環として出場したが、この種目でも十分に全国で通用する力を見せた。
 16日はいよいよ本職の5000メートルが行われる。高校最後の夏に挑む17歳は「最初から飛ばして勝負でも勝ちたい」と2冠を約束した。


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