米沢工高専攻科生、Vチューバーキャラクター制作 研究成果PR、観光や企業情報発信に活用も

モニターに映るVチューバーのキャラクターを制作した米沢工業高専攻科の学生=米沢市

 米沢工業高専攻科の学生4人が、自分たちの研究成果や学内活動をPRするバーチャルユーチューバー(Vチューバー)のキャラクターとして、「魅灔(みなみ)ヒナタ」を制作した。各自が得意分野を生かした力作。活動紹介だけでなく、地元米沢の観光や企業情報の発信などにも活用する考えだ。

 Vチューバーは、体にセンサーを装着し画面内のアバター(分身)としてキャラを動かす。キャラは用意された文章を自動音声で読み上げる。制作は、情報技術コース2年遠藤翼さん(22)、生産デザインコース2年武田克則さん(20)、ともに同1年の戸屋康介さん(18)と沢雅恭さん(18)が取り組んだ。

 4人はVチューバーのキャラ制作経験はない。それでも各自が得意分野で技術を発揮。遠藤さんと武田さんは、使用ツールの情報収集やシステム構築を担当。沢さんがキャラクターのデザインに当たり、戸屋さんがパソコン上で動画の収録や編集を担った。表示エラーなどが発生するたびに試行錯誤しながら、構想から1カ月ほどで完成させた。

 「魅灔ヒナタ」は、研究室がある米沢市南原(みなみはら)地区から命名。20歳の学生とのイメージで、性別の設定はない。テーマ色は地域の自然を連想させる緑とした。

 今後は専攻科のホームページから月2回程度、課外授業や米沢工業高生との合同授業の紹介動画を公開する。情報発信の方法については、米沢市出身のユーチューバーの助言を受けた。

 専攻科の情野勝弘教諭(58)は魅灔ヒナタについて「地域の観光や企業PRの動画など、さまざまな分野で活用できる」と広がりに期待する。完成までのノウハウをマニュアルにまとめており、4人は「自分たちで作りたい人に、参考にしてもらえたらうれしい」と話し、今後の情報発信を通じて「キャラクターの魅力を引き出していきたい」と続けた。

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