現金よりキャッシュレス コロナ前の3倍に 長崎経済研究所が県民アンケート 導入店増え浸透

県民に聞いた普段の決済方法(リサチャン調べ)

 十八親和銀行系シンクタンク長崎経済研究所(長崎市)が県民を対象に実施したアンケートによると、新型コロナウイルス禍前の調査に比べ、現金よりキャッシュレスを利用している人が3倍近くに伸長した。コロナ禍でキャッシュレス決済の導入店舗が増え、県内でも一定浸透したことがうかがえる。
 キャッシュレス決済に関する調査は2019年4月以降、県内在住の18歳以上をモニターとするウェブアンケートサイト「リサチャン」で、ほぼ毎年実施。今年は4月中旬に、393人が回答した。キャッシュレス決済は、クレジットカード、スマートフォンの決済アプリ、交通系電子マネーなどを指す。
 普段の買い物や飲食などの支払いで、現金よりキャッシュレス決済が多い人は57.8%で6割近くを占めた。逆に現金の方が多い人は19.6%、ほぼ同じ割合とする人は18.8%でいずれも2割程度だった。19年調査では、キャッシュレスが多い人は20.5%、現金が多い人は45.8%だったが、コロナ禍中に逆転した。
 ただ、昨年の調査と比較すると、結果はほとんど変わらず一服感もみられる。同研究所は「スーパーやコンビニなどでキャッシュレス決済導入が進んだ一方、使えない施設や店舗も存在する。当面は現金との併用が必要と考える人が多いようだ」とみている。
 キャッシュレス決済を利用する理由(複数回答)としては「スムーズに会計できる」(80.7%)と「ポイントがたまる」(78.3%)が多かった。また、キャッシュレス決済と感染予防について聞くと「あまり関係していない」(43.8%)、「全く関係していない」(24.7%)と答える人が大半で、感染症対策と関係なく浸透しているようだ。
 キャッシュレス決済について「スマホの電波が通じず困った」「顔認証や決済アプリの立ち上げに時間がかかる」といった不満も上がった。コインパーキングや個人病院などでの導入を求める声もあった。

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