首都圏を襲った台風2号からも首都圏を守った世界最大級の治水施設「国土交通省首都圏外郭放水路」

暮らしに役立つ情報をお伝えするTOKYO MX(地上波9ch)の情報番組「東京インフォメーション」(毎週月―金曜、朝7:15~)。今回は防災に役立つ情報を紹介する特別企画「TOKYO防災 A to Z」で首都圏を洪水から守るために建設された世界最大級の地下放水路を紹介しました。

◆TOKYO防災 A to Z #10 首都圏外郭放水路

防災に役立つ情報を紹介する特別企画「TOKYO防災 A to Z」。
今回は、首都圏を洪水から守るために建設された、世界最大級の地下放水路を取材しました。

美しい街並みと歴史ある文化が共存する、東京。その発展の裏には、過去の災害によって培われた教訓を活かした街づくりがあります。
そして、その歩みは未来へ…。備えよう、今も、100年先も、安心と安全を守るために。

頻発する自然災害に備え、東京都が想定する五つの危機。
今回のテーマは、風水害への備えです。

(杉浦みずきキャスター)「埼玉県春日部市にある、国土交通省首都圏外郭放水路にやって来ました。ここは、首都圏での水害を軽減することを目的に造られた、世界最大級の治水施設なんです」

施設が造られたこの一帯は、利根川、江戸川、荒川という大河川に囲まれた、水が溜まりやすい、皿のような地形。そのため、大雨による浸水が、度々、起こり、下流にある東京までが被害に悩まされてきました。
そこで、1993年、付近を流れる五つの河川の水を地下に取り込み、川幅が大きな江戸川へ逃すための、世界最大級の地下放水路を建造。

記録的な大雨を降らせた2019年の東日本台風では、東京ドーム9個分にあたる、約1,150万tの水を排出し、東京や埼玉の流域周辺の大きな浸水被害を防ぎました。

その巨大な構造の中で、地下に流れ込んできた水の勢いを弱め、一時的に溜め置くのが、「調圧水槽」。
普段、行っている見学会では、下まで降りてその大きさを体験することができます。
幅78m、奥行き177m、高さ18mの巨大な空間は、全部で59本の柱で支えられており、まさに地下神殿を思わせる光景です。

(首都圏外郭放水路管理支所 宮嵜佳雄支所長)「この柱が何のためにあるのかというと、『調圧水槽』は土の中にあり、その周辺の地下水が、この大きいコンクリートの施設ですら、浮力で下から押し上げてしまうので」

「調圧水槽」に溜まった水を江戸川に排出するのは、4機のエンジンポンプ。航空機用のジェットエンジンを改造したもので、国内最大出力を誇ります。

(首都圏外郭放水路管理支所 宮嵜佳雄支所長)「ここの四つのポンプを動かして、25mプールの水が1秒でパッとなくなるイメージ」

(杉浦みずきキャスター)「そんな魔法みたいなことができるんですね」

先日、首都圏を襲った台風2号の際にも、大規模な水害の発生から地域を守ってくれました。

都では、100年先も安心な都市をめざして、「TOKYO強靭化プロジェクト」を策定しています。
詳しくは、ウェブサイトをご覧ください。

関連リンク
https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/basic-plan/kyoujinkaproject/

番組名:東京インフォメーション
放送日時:毎週月―金曜 7:15~7:20
キャスター:杉浦みずき、白戸ゆめの
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/tokyoinfo/

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