他人について何でも軽々しく口にしてしまう人は、必ずトラブルを引き起こします。
人の個人情報を大事にしないのは「それを知っている自分が好き」だから。そんな姿は周囲の悪感情を招きます。
それがコミュニケーションだと勘違いしている人もいるので、話すときは注意が必要です。
口の軽い人と関わらざるをえないとき、うっかり自分について知られるのを防ぐにはどんな話題を選べばいいのでしょうか。
どうしてなんでも話してしまうの?その心理とは
「口が軽い人」は「他人を大事にしない人」
彼氏についての愚痴や取り組んでいる資格の勉強など、自分について打ち明けたらその人が周りに吹聴していたなんて、経験した人は少なくないかもしれません。
こちらは当たり前に「誰かに話すことはしないだろう」と思っていても、口の軽い人は掴んだ他人の情報を胸に収めておけず、別の誰かに知らせて盛り上がることを求めます。
どうしてそんなことができるのかというと、口の軽い人は自分以外の人の情報は「大切にしなくてもいい」と思っているから。
相手の存在を軽んじているから、個人的な内容でも簡単に漏らしていくと筆者は感じます。
「それを知っている自分」「話してもらった自分」「信頼されている自分」に価値を感じ、他人の情報は己の評価を高める材料である、と思いこんでいるのですね。
本当に相手の存在を大事に思うのなら、打ち明けてくれたことを別の人との話題にするなんてことはできません。
それがどんな内容であっても「自分以外の人のプライバシー」には変わりなく、守るのが尊重であって、お互いの信頼を支えるのではないでしょうか。
口の軽い人は「他人を大事にしない人」です。
うかつに情報を渡すと後々とんでもない問題に巻き込まれることもあるため、接触は注意を払う必要があります。
こんな面が見えたら要注意! 「口の軽い人」の考え方
お互いの近況について話したいのに、気がつけば「○○さんの彼氏って」「○○さんの家族ってね」とやたら他人の名前が出る、何かの話題について「あそこは○○だから」「親が○○なんだって」と本筋とは関係ない情報をたくさん出してくる、そんな人は「それを知っている自分」をアピールしています。
ほかの人は知らないだろう情報を掴んでいる自分、その姿を見てほしいし「すごい」「教えてくれてありがとう」と言われたいのですね。
そうでなければ聞かれてもいない部分まであえて口にする必要はなく、関心の中心は話題そのものではなく「人の情報を掴んでいる自分を見てもらうこと」なのだと筆者は思います。
口の軽い人は他人のプライバシーを自分のものとして扱うのが特徴で、聞いているこちらが「それ、人に話してもいいの?」と不安になるようなデリケートなことまで簡単に口にしてしまうのを見ます。
こちらがネガティブな感情を覚えるのは、「その人はあなたを信用して話してくれたのでは」と感じるときで、それをあっけなく裏切る姿に「信頼できない人」という印象を持つのは避けられません。
ということは、「私についてこの人に話せば同じように誰かに簡単に漏らされる」と警戒するのは当然で、自分がそう思われる現実に気が付かないのも口の軽い人の特徴です。
本来、一対一で居心地のよさを感じるコミュニケーションは、お互いについて打ち明けあい理解や共感を深める話題になるはずで、そうではなく「常に他人のこと」を口にして聞いてほしがる人とは、好意を向けたくてもその人の内面の良さを感じられないため難しくなります。
口の軽い人が人間関係でトラブルを起こしやすいのは、他人に与える印象を正確に掴めておらず、自分の在り方が相手に嫌な思いをさせていると想像できないからです。
「口の軽さ」は周囲の信用を失っていく
口の軽い人は、勝手に自分の情報を流された人に攻撃されることがあります。
みずから打ち明けた話でなくても、見聞きして知られた自分の状態についてほかの人が話題にするのは、いい気はしませんよね。
「他人を尊重しない姿」が口の軽い人の実態です。それが情報を吹聴された人や周囲の悪感情を買い、「やめてほしい」と強い口調で責められることもあります。
こんなトラブルは、口の軽い人が話すのをやめても損なわれた信頼が元に戻るのは難しく、軋轢やしこりが残ったままになるのです。
問題は、口の軽い人は自分のやり方について人に責められると「悪気はない」「そう受け取るほうに悪意がある」「大げさにしている」と反省をしないのがほとんどなことで、その姿がまた相手や周囲の嫌悪を深くし、遠ざけられていきます。
最終的に孤立するのを見ますが、それを実感すると余計に他人の状態が気になり、あれこれと接触をはかっては自分へ関心を向けさせようとする人もいて、口の軽い人と話すときは相手の思惑を見極めるのが身を守る第一のすべとなります。
トラブルに巻き込まれないために気をつけたいこと
会話するときに距離を取る
「この人はおしゃべりだ」とわかっているときは、まず自分の個人的な部分を口にするのを避けるのは当然で、「最近どう?」「彼氏とはうまくいっているの?」などと質問を受けても「何とかやっているよ」と具体的なことは話さず流すのが賢明です。
自分について伝えるのであれば、「最悪の場合誰かに知られてもいい部分」、仕事が忙しいとか面白かった漫画や映画の感想など、当たり障りのない会話で乗り切りましょう。
口の軽い人は、こちらの核となる部分、恋人や家庭の状況こそを知りたがりますが、話を振られても「大丈夫だよ」と前向きな言葉で切ってしまうのが最善です。
ほしい情報が掴めない、話してもらえないことで口の軽い人はショックを受けるかもしれませんが、それこそが狙っている「効果」であり、境界線をきっちり引いていることをこちらから伝えていけばその人は関心をなくします。
そして、相手が出してきた「誰かについての話題」にも乗らない姿勢が重要で、「○○さんってこうなんだって、おかしいよね」と軽い感じで同意を求められたら「よくわからない」「本人から聞いていないから」とごまかします。
「そう思う」とうなずいてしまうと、それが口の軽い人には「私の感覚は正しいのだ」と間違った自信となるため、その後もずっと同じように「誰かについてこう思う私」の承認に利用されることは実際にあります。
もっとまずいのは、同意したことでまた別の人に「○○さんもこう言っていた」と名前を出される可能性が高いことで、これが後になって口の軽い人の仲間と思われ敬遠される理由になる危険性を、忘れてはいけません。
自分は同意したとは思っていなくても、出た言葉を口の軽い人は記憶するため、「わからない」「勝手に決められない」と否定しておくのがポイントです。
自分については前向きな言葉で話題を切り、他人の話題はあくまで「同意しない」姿を伝え続けることで、口の軽い人はいずれ賛同してくれるほかの誰かを探して離れていきます。
「口の軽い人」の欲求不満に付き合わない
おしゃべりで他人のプライバシーを尊重しないからトラブルを起こすのが口の軽い人、自分の在り方が周囲に受け入れられないことにストレスを感じると、その解消もまた人ではかろうとします。
「誤解をされる自分」「攻撃される自分」を話して慰めてもらおうとしますが、こんな話題を出されたときは、「聞くだけ」に徹することで間違った仲間意識を持たれずに済みます。
自分について慰撫がほしいその人は「自分と同じように相手を貶めること」を求めてきますが、「大変だったね」「それはつらかったね」と返すだけに留めるのが正解です。
相手から話を聞いていない以上はそれが真実かどうかはわからず、うかつに「その人はひどいね」などと返してしまうと、口の軽い人は「私の在り方は正しいのだ」と信じてしまいます。
問題について本当に理解してほしいときは、自分と相手を対等に見た話の筋が出るはずで、そうではなく一方的に相手を悪く言うときは、「自分を認めてほしい一心なのだ」と受け取る慎重さが大切。
欲求不満が強くなると、他人を大事にしない口の軽い人ほどひどい言葉で自分を傷つけた相手を罵りますが、その自分がどんな印象をこちらに与えるか想像する余裕はないため、「聞くだけ」で短く話を終わらせることを考えましょう。
真面目な人ほど真摯に向き合う姿勢が大切だと不快感を我慢して話に付き合いますが、その結果ひたすら同意や賛同をねだられて「そうは思わないけれど頷くしかない状況」になるのを見ます。
自分の意思をねじ曲げてまでその人と同じにしなければならないような会話が、果たしてコミュニケーションと呼べるでしょうか。
相手の問題を一緒に背負ってはならず、同意できないのであれば「私の考えはちょっと違うけれど、あなたの大変さはわかるよ」など受け取れる部分だけを伝える姿勢が、正しい境界線となります。
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「口の軽い人」は、そもそも自分の在り方が周囲にとっておかしいものだと実感することがないため、同じようなトラブルを繰り返します。
他人のプライバシーを尊重しないのは、人を大事に思っていないから。
これを忘れずに、接触せざるをえないときは無難な話題や世間話でこちらから会話をリードしていくのも有効です。
自分の身を守るためにも、相手の話題に向き合わない意思を見せることを、恐れてはいけません。
(mimot.(ミモット)/ 弘田 香)