「自分の作ったものはかわいい」和菓子の日で名店の職人が手ほどき「もっと身近に」=静岡・御殿場市

6月16日は「和菓子の日」です。和菓子を食べて厄を払い、福を願う「嘉祥(かじょう)」という行事にちなんでいます。洋菓子に押され和菓子離れが進む中、静岡県御殿場市の名店「とらや工房」がイベントを開きました。

御殿場市のとらや工房。美しい自然を眺めながら喫茶も楽しむことができます。和菓子の日を前に13日に開かれたイベントは、とらや工房の職人から和菓子作りを学べるというぜいたくなものでした。とらや工房による大人向けの教室は初めての試みで、この日を待ち望んでいた50人が参加しました。

まずは、ひまわりを模したきんとん作りから。ひまわりの中心の模様はざるを使ってつけます。

<水野涼子キャスター>

「ちょっと強すぎですね。やさしく今度はうまくいくかな」

<とらや工房 中野達也店長>

「きれいにできました。こういう道具を使って模様をつけていってイメージさせていく」

花びらの部分はこし網でそぼろ状にします。

<水野キャスター>

「すごい、立体感があって、生きている花びらみたい」

花びらを箸で丁寧に飾り付けていきます。

<水野キャスター>

「空気を含んでいて、そぼろは自分で絞り出したので柔らかくておいしい」

<とらや工房 中野達也店長>

「このまんじゅうは徳川家康公の時代にも作られていた。昔からなじまれていた菓子です」

和菓子で厄払いをする嘉祥の行事を重んじたのが徳川家康公です。1日で2万個を超える菓子を家臣に配り、験担ぎをしたと言い伝えられています。

こちらは江戸時代に幕府が配ったとされる菓子を再現したもの。この時代からまんじゅうやようかんがあったんです。

<水野キャスター>

「これ、中身が見えちゃっている」

和菓子に親しんでほしいと、とらや工房が開催したイベント。若者のあんこ離れなどが進み、日本人が和菓子を購入する額はここ20年減り続けています。和菓子と洋菓子にかける金額を比べるとその差は歴然。2倍以上の開きがあります。

<参加者>

「初めて作ったのでうれしかった。自分の作った和菓子がかわいく思える」

「和菓子は、はかないから壊したらいけないなと思って、洋菓子を選びがちだったが、これからは和菓子を選びたい」

<とらや工房 中野達也店長>

「年間を通していろいろな行事があるので、和菓子をもっと身近に感じていただけたらありがたい」

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