ウクライナ理事会設置へ NATO協議枠組み格上げ

16日、ブリュッセルで記者会見するNATOのストルテンベルグ事務総長(AP=共同)

 【ブリュッセル共同】北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は16日、ロシアの侵攻を受けるウクライナとの協議の枠組みを現在の「委員会」から「理事会」へ格上げする方針を示した。NATO加盟を目指すウクライナとの関係を深化させる。ブリュッセルで15~16日に開かれたNATO国防相会合閉幕後の記者会見で語った。

 ウクライナのNATOへの早期加盟は困難なのが実情。ストルテンベルグ氏は理事会の設置について「政治的にウクライナをNATOに近づける」ことが目的だとしている。「委員会とは異なり、ウクライナがNATO加盟国と対等な立場で協議し、一緒に意思決定もする組織となる」と説明。「理事会設立の合意形成に近づいている」とした。

 7月にリトアニアで開く首脳会議にウクライナのゼレンスキー大統領を招き、第1回の理事会を開催したい考えだが、ゼレンスキー氏はウクライナのNATO加盟に向けた具体的な進展があった場合にのみ出席するとの考えを示している。

© 一般社団法人共同通信社