家族一緒に移住体験 県外世帯狙い県がモデル事業、鶴岡市など3市町で実施

山形県庁(資料写真)

 首都圏など県外の子育て世帯をターゲットとした県の「やまがた家族まるごと移住体験モデル事業」が鶴岡、西川、庄内の3市町で実施されることが決まった。本県を拠点に親はテレワークで働き、子どもは保育園に通い、週末はアクティビティーや観光を満喫してもらう。人口減少が深刻化する中、関係人口の拡大と移住につなげるのが狙いで、7月ごろから受け入れを始める予定だ。

 初めての取り組みで実施主体となる市町村を募り、5月までに3市町が手を挙げた。自治体当たり10世帯の受け入れを目標とし、県が275万円を上限に経費の全額を補助する。3市町は近く参加世帯の募集を開始する。宿泊費や食費、保育料などは参加世帯が負担する。

 鶴岡市は温海庁舎が7~12月に受け入れる準備を進めている。民宿や旅館、移住のお試し住宅を用意し、期間は2週間前後を想定している。温海地区は市内でも人口減少率が高く、担当者は「参加家族と地域の人たちとが交流などを通して、関係人口を増やしていきたい」と話す。

 西川町は滞在期間を1週間か2週間とし、参加世帯は旅館で生活する。子どもに豊かな自然や文化を体験させたいという保護者のニーズに応え、町のファンを増やす考えだ。

 庄内町では自炊できる宿泊施設などで1~3週間暮らす。「できるだけ多くの受け入れを目指す」と担当者。都会にはない食や自然、地域の人たちの魅力に触れてもらい、イベント情報も積極的に周知する。

 県移住定住・地域活力創生課は「県外からの短期滞在が年間を通して続けば、移住と同様の地域活性化効果が生まれる」と説明し、取り組みへの参加と継続を期待する。県は実施主体となる自治体を追加で募っている。

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