「うるし茶」血圧上昇抑制効果か 岩手医大と生工研、解明進める

 岩手医大(矢巾町)と岩手生物工学研究センター(北上市)は、岩手県産ウルシの種を焙煎(ばいせん)した「うるし茶」の研究で血圧の上昇を抑える効果が期待できることを解明した。今後は成分の特定を進め、将来的に機能性表示食品としての販売を目指す。生産量日本一を誇る本県漆産業の振興につながるか注目される。

 研究は、同大薬学部医療薬科学講座創剤学分野の杉山育美講師(42)と同センター生物資源研究部の上杉祥太・主任研究員(34)が中心になって取り組む。うるし茶は松沢漆工房(盛岡市)が2018年に販売を開始。同センターの研究で、茶の抽出エキスの中に血圧上昇を促す「アンジオテンシン変換酵素(ACE)」の働きを抑制する成分が見られた。

 同大が実験用動物「高血圧ラット」を用いて効果を検証。90日間の試験期間中に、うるし茶を与えた場合と水を与えたグループの血圧を測定し比較した。うるし茶のグループは、最高血圧と平均血圧がともに抑制される傾向が確認された。

© 株式会社岩手日報社