トラック運転手の残業規制強化で物流危機が予想される「2024年問題」について、荷主企業の協力を得るための説明会が16日、天童市の県トラック協会で開かれた。荷主の都合で運転手が待たされる「荷待ち時間」が長時間労働の原因の一つになっており、出荷や荷受けの時間厳守や複数トラックへの時差での対応など、荷主側への協力を求めた。
同協会と山形労働局、東北運輸局山形運輸支局が初めて開催した。長年、問題となってきたドライバーの長時間労働の改善を目的に、来年4月から運転業務は年間の時間外労働の上限が960時間に設定される。労働環境の改善が期待される一方、運転手不足がある中で制限が設けられ、輸送能力の低下や、物流会社・運転手の収入減少などが懸念される。
この日は、山形労働局の担当者がトラック運転手の実労働時間が全産業平均より月20~30時間程度長い現状を説明。「荷待ち時間が減らないと拘束時間は減らない」と強調した。山形運輸支局の担当者は、荷待ち時間の削減には、複数のトラックが荷受けや荷下ろしで集中しないよう、時差での出荷に努める他、時間を厳守するなど荷主側の協力が欠かせないとし、「荷主と運送事業者が一体となって取り組むことが重要。コミュニケーションも密にしてほしい」と呼びかけた。
説明会では、今月2日に政府がまとめた指針の内容も示された。同指針では荷主企業に対し、荷待ち時間の把握や、2時間以内への短縮などを求めている。
製造業を中心にした県内の荷主企業担当者約50人と、同協会会員の物流企業担当者の合わせて約90人が参加した。20日には三川町で開く。