災害時の踏切遮断、対策進む 優先開放500カ所目指す

大阪府北部地震で約9時間遮断した阪急電鉄の坪井踏切=9日、大阪府摂津市

 最大震度6弱の揺れを観測した大阪府北部地震から18日で5年。地震は朝の通勤ラッシュを直撃し、列車が駅間に停車したまま踏切の遮断機が長時間下りた状態となり、救急車の到着が大幅に遅れる事態となった。国土交通省は災害時に優先開放する踏切を2025年度までに全国で約500カ所指定する方針。鉄道会社は行政と連携し、早期の遮断解消に向けた対策を進めている。

 地震は18年6月18日午前7時58分ごろ発生し、JRや私鉄の列車200本以上が駅間停車した。阪急電鉄では摂津市の坪井踏切が約9時間遮断。救急車が迂回を余儀なくされ通常7分で到着する目的地に、6倍の42分かかったケースもあった。

 国交省は21年4月施行の改正踏切道改良促進法に基づき、優先開放する踏切としてこれまでに31都府県の計372カ所を指定。1時間に10本以上の列車が通過し、迂回に10分以上かかる踏切などが対象で、管理する鉄道会社は遮断機を上げる手順の策定が義務付けられる。行政との連絡体制も整え、早期開放に向けた訓練も実施する。

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