明石海峡大橋の交通量、3年ぶり最多更新 1日平均3.9万台 コロナ禍落ち着き、観光需要増 22年度

2022年度の交通量が過去最多を更新した明石海峡大橋=神戸市垂水区

 開通から25年を迎えた明石海峡大橋の2022年度の1日平均交通量が、過去最多の3万9322台となったことが分かった。19年度をピークに新型コロナウイルス禍で落ち込んだが、混乱が一段落し、淡路島の観光拠点が充実したことなどを受け、関西や周辺の家族連れを中心に利用が伸びたとみられる。

 明石海峡大橋は1998年4月に開通し、神戸市垂水区と淡路市の3911メートルを結ぶ。つり橋で、二つの主塔間の距離は1991メートルに及び、昨年トルコにできた橋に抜かれるまで長く世界最長だった。淡路島と四国の間に架かる大鳴門橋とともに周辺地域をつなぎ、発展を支えている。

 維持管理する本州四国連絡高速道路(本四高速、神戸市中央区)によると、明石海峡大橋の交通量は開通以降、通行料の引き下げなどもあって増加傾向で、19年度は1日平均3万8354台を数えた。

 しかし20年度はコロナ禍で、前年度比18.2%減に落ち込んだ。21年度は若干持ち直したが、19年度比10.7%減だった。

 22年度はコロナ禍が落ち着いたことに加え、ここ数年で淡路島内にパソナグループ(東京)が本社機能の一部移転を進め、観光拠点や飲食店の整備が進んだことなどで、関西圏からを中心に日帰りや1泊旅行の需要が増えたとみられる。普通乗用車と軽乗用車の交通量は前年度比で18.4%増加し、全体の年間交通量は19年度比2.2%増の1435万2479台に上った。

 一方、本四高速が管理する道路全体の22年度交通量は、ピークの19年度比で98.5%にとどまったといい、明石海峡大橋の増え幅は際立っている。

 本四高速は、25年大阪・関西万博を見据えて、橋の主塔に案内するツアー、地域の特産を紹介する催しなどに力を入れる考え。

 インバウンド(訪日客)の取り込みも視野に、担当者は「明石海峡大橋の23年度交通量は22年度をさらに上回るのでは。国や自治体、企業との連携を強化し、橋と地域の魅力発信に努めて活性化に貢献したい」と話している。(佐伯竜一)

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