「穴水の天文台」から再び星空を 機器を修繕、7月からキャッスル真名井で観望会

阿良田さん(左)の説明で望遠鏡を見学する来場者=穴水町川島

  ●地元出身の元教諭企画

 穴水町の国民保養センター「キャッスル真名井」内にあるキャッスル天文台で17日、見学会が開かれた。機器の故障などを理由に2011年から使われていなかったが、同町出身の元高校教諭阿良田吉昭さん(64)=金沢市=が有効活用しようと企画した。7月29日から月1回、望遠鏡を使った観望会を開催する。

  ●ふるさと創生事業、91年にオープン

 キャッスル天文台は1991年、町がふるさと創生1億円事業のうち約3千万円を投じてオープン。「星空の街」を掲げて観望会が盛んに開かれたが、望遠鏡を操作できる人材の転勤などもあって活動は次第に下火になった。

 再使用には多額の費用がかかると思われたが、阿良田さんが5月に天文台の状態を確認したところ、望遠鏡を動かすソフトが入ったパソコンを修繕するだけで使えることが分かった。

 見学会には子どもから大人までの幅広い世代の市民が訪れた。阿良田さんはリモコンでドームを回転させたり、パソコンで指定した星座の方向に望遠鏡が自動で動いたりする様子を説明した。阿良田さんは「使われず撤去される前に復活することができてよかった。せっかくある天文台を活用していきたい」と話した。

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