てるてる亭15周年、心新た 志の輔さん「故郷で落語、喜び」

軽妙な語り口で会場を沸かせる志の輔さん=富山市の「てるてる亭」

 富山市中央通りの演芸ホール「てるてる亭」で17日、15周年まつりが行われ、大勢の来場者がホールをプロデュースした落語家立川志の輔さんの記念公演を楽しんだ。同所で長く公演を続ける志の輔さんは「ふるさとで落語ができる喜びしかない。今後も頑張りたい」と振り返り、さらなる発展へ気持ちを新たにした。

 てるてる亭は2008年6月、北陸銀行が中心になって富山市中心部の活性化を目的に「セプラビル」内の映画館跡に開設した。名付け親でもある志の輔さんはオープンから毎月1回、昼夜2回公演を続ける。今回で302回を数え、延べ約7万9千人が来場した。

 記念公演前、志の輔さんと北陸銀行の中澤宏頭取が報道陣の取材に応じた。

 同ホールについて「お客さんが県民だけではなくなってきた」と志の輔さん。一方で「県外(の公演)では標準語を使って何の問題もないが、ここ(てるてる亭)は富山弁をしゃべっていて頭の中でどうしたもんかと、考えないといけない独特の場所」とうれしそうな表情で胸の内を明かし、周囲の笑いを誘った。

 中澤頭取は「富山のためにという師匠の熱い思いが伝わってくる。より多くの人に来てもらえる場所にしていきたい」と話した。

 記念公演では志の輔さんが「こぶとり爺(じい)さん」と「千両みかん」で富山弁たっぷりの軽妙な語り口を披露した。会場では志の輔さんの愛用品など千点以上が並ぶのみの市も行われた。

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