岩手山、登山シーズンへ備え ボランティアが物資荷上げ

リュックサックいっぱいに物資を詰め込み、8合目避難小屋へと向かう登山者=17日午前7時24分、滝沢市岩手山・馬返し登山口

 7月1日の岩手山(2038メートル)山開きを前に、登山者向けの避難小屋の受け入れ準備が進んでいる。17日は、ボランティアが馬返し登山口から8合目の小屋に食料、まきなどの物資を運び上げる歩荷(ぼっか)を競技形式で行った。今シーズンは新型コロナウイルス感染対策で屋内に設けていた仕切りを外し、毛布の貸し出しを再開する。遠方からの愛好者や団体での入山が増えると見込まれ、本格的な夏山シーズンに向け万全の態勢を整える。

 午前7時、晴天の馬返し登山口に、岩手県内の山岳会など14団体から約70人が集った。トイレットペーパーや発電機用のガソリンなど計1.3トンをそれぞれのリュックサックに詰め込む。全身でずしりと重みを感じながら背負い出発した。

 競技形式で物資を運ぶのは「ボッカ大将」と呼ばれ、標高約1770メートルの8合目避難小屋まで荷上げした重さを競う。出発地点からの標高差は約1100メートルになるが、背負子(しょいこ)を使って持てる限り詰める人もいた。

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