ケーキ店「マロン」46年の歴史に幕 一関市民らボードに感謝記す

店への感謝の言葉や思い出がつづられているメッセージボード

 「終わるのは寂しいけど、関わってくれた全ての人に心からの感謝だよ」。一関市銅谷町の「お菓子の館 マロン」(千葉修己(おさみ)代表)は25日に閉店し、46年間の歴史に幕を下ろす。長年、看板商品の「マロンケーキ」などで市民の特別な日も日常も彩り、愛され続けた。残り1週間の営業となった店内は、別れを惜しむ常連客らでにぎわっている。

 店内に飾られたメッセージボードには「家族の誕生日には必ずマロンのケーキだった」「長い間おいしいケーキと温かい気持ちをありがとう」など、菓子と過ごした思い出や店への感謝が多数つづられている。

 1977年に親族らでオープンした。千葉代表(70)が修業した仙台市の洋菓子店が店名の由来。初めは赤字続きだったが、徐々に人気店へと成長した。千葉代表は「とにかく無我夢中に働き続けた。楽しかったんだ」とうなずく。

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