頭上でおきゅう…モクモク、アチチ 厄落とす伝統行事「炮烙加持」 兵庫・播磨町の圓満寺

頭に載せた皿の上でお灸をたき、厄をはらう参拝者ら=播磨町上野添2、圓満寺

 健康長寿や無病息災などを願う伝統行事「庚申大祭」が、兵庫県播磨町上野添2の圓満寺であった。地域住民ら約80人が、頭上でおきゅうをたく「炮烙加持」で体内の厄をはらった。

 同寺は平安時代に創建。中国の道教思想に由来する庚申信仰に基づき、20年以上前から6月に大祭を執り行っている。

 僧侶の読経が響く中、参拝者は頭の上に手ぬぐいと陶器製の皿「炮烙」を載せ、その上でもぐさがたかれた。皿から伝わる熱で、体の厄を落とすとされる。約5分間、参拝者は目をつむって両手で皿を支えながら願い事をした。

 毎年参加しているという同町の女性(78)は「今年のもぐさは例年より大きかった分、体の悪いところがなくなってくれたらうれしい」と話した。(児玉芙友)

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