「姫ちゃり」電動車両に一新、24時間利用もOK スマホで開錠、滞在型観光推進へ11月から

アプリ内の手続きだけですぐに乗車できる導入予定の新システム(姫路市提供)

 兵庫県姫路市は、市民や観光客らに自転車を時間貸しするシェアサイクル「姫ちゃり」を8月末でいったん停止し、11月から新システムに切り替える方針を決めた。新システムでは、電動アシスト自転車を導入し、24時間利用できるようになる。利用手続きもスマートフォンを使って簡素化され、利便性の向上でさらなる利用の増加を目指す。

 今月中旬の市議会建設委員会で、市都市局が明らかにした。

 市は中心市街地の回遊性を高めようと、2016年7月にシェアサイクル事業を本格導入した。貸し出しや返却の拠点となるサイクルポートは姫路駅や姫路城周辺、手柄地域など計20カ所にあり、1時間100円で借りられる。22年度には過去最多の約8万6千人が利用した。

 現行のシステムでは、乗車前に各ポートにある専用端末で支払いの手続きが必要で、利用は午前7時~午後8時に限定されていた。150台ある車両には電動アシスト機能がないため、移動範囲が限られるなどの課題もあった。

 新システムではスマートフォンの専用アプリで事前に支払い方法などを登録し、車両のQRコードを読み込んで解錠する。アプリで自転車の空き状況の確認や予約もできるという。

 市は、9、10月に更新作業のため姫ちゃりの利用を一時停止し、11月1日にも新システムに切り替える予定。サイクルポートは現在と同じ場所に設置し、利用料は運営事業者の「ドコモ・バイクシェア」(東京)と協議している。

 市地域公共交通課の渋川学課長は「将来的には書写山や姫路港などにもポートを設け、自転車で動ける範囲を拡大して滞在型観光の推進につなげたい」と話している。 (田中宏樹)

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