南加賀の中学生、修学旅行で石川PR 大阪でチラシ配布、特産販売

温泉街を紹介するチラシを配る加賀市片山津中の生徒=大阪市内

  ●北陸新幹線延伸控え

 来春に北陸新幹線の開業を控えた南加賀の中学生が、修学旅行先で地元のPRに励んでいる。生徒のふるさと教育に加え、誘客にもつながることから、加賀市片山津、白山市松任の両校は5月、旅先の大阪で生徒が自作のチラシを手に特産品や観光名所を売り込んだ。羽咋市羽咋中も羽田空港で同様の活動を行っており、中学生が「石川のセールスマン」として存在感を放っている。

 「加賀温泉郷の一つ、片山津温泉にぜひお越しください」。5月17日、大阪市の京橋中央商店街。片山津中3年生70人が行き交う買い物客に地元の名所をまとめたチラシを手渡し、来訪を呼び掛けた。

 同校は、温泉街の活性化を考える探究学習に力を入れており、活動の総仕上げとして修学旅行先での情報発信を初めて企画。生徒は中谷宇吉郎雪の科学館や飲食店、夏の風物詩「湯のまつり」(北國新聞社後援)などを取り上げたチラシを制作し、外国人旅行者向けに英語版や中国語版も用意した。

 当日、生徒は片山津温泉観光協会から借りた法被を来てチラシを配布した。受け取った人からは「行ってみたい」などの感想が聞かれた。山下和花さん(14)は「チラシの写真の配置を工夫して見やすいようにした。感想を話してくれる人もいて、やりがいを感じた」と振り返った。

 松任中3年生38人は5月10日、京橋中央商店街の特設ブースでレトルトの金沢カレーや金箔(きんぱく)のあぶらとり紙など5種類の商品を販売した。同校の担当教員は「ふるさとの魅力をあらためて知る機会にもなり、今後も行っていきたい」と話した。

  ●羽咋中は羽田で

 このほか、能登地区では羽咋市羽咋中の3年生が5月10日、羽田空港第1ターミナルで特産品や名所を売り込む特別授業を実施。8月には同市邑知中の3年生が姉妹都市・群馬県藤岡市で、千里浜海岸の魅力を発信する。

特産品を販売する白山市松任中の生徒=大阪市内

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