小平奈緒さんが山形で講演 スピードスケート、五輪「金」振り返る

講演する小平奈緒さん=山形市・東ソーアリーナ

 スピードスケート女子で昨秋に現役を引退した平昌冬季五輪金メダリスト小平奈緒さんの講演会が18日、山形市の東ソーアリーナで開かれた。小平さんは競技人生を振り返り「信じて見守ってくれる人、寄り添って応援してくれる人がいることに気付けたことが心の支えになった」と語った。

 小平さんは信州大の結城匡啓(まさひろ)コーチから指導を受け成長した。「動作をアウトプットする座学メニューなどによって体に対する感覚の知識が深まった」とし、「学びを積み上げた人が進歩する。知ることに感動できる力が自分を高めてくれた」と歩みを解説した。

 拠点を強豪国オランダに移した2年間は、五輪王者がコーチを務めるプロチームに所属。「自分が挑戦する舞台は自分が主役でいいと認識できたことは自信につながった」と、金メダリストのメンタリティーを学んだことを収穫に挙げた。

 500メートルで頂点に立った平昌五輪で、地元開催で2位に終わり涙を流すライバルの李相花(イサンファ)さんを抱き寄せるシーンが感動を呼んだ。「ライバルを敵と表現する人もいるが、私は同じように困難を乗り越えてきた仲間や同志だと思っている」と話し「人とのつながりは心を豊かにしてくれる。出会いに恵まれて今の自分がいる」と語った。

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