地域の伝統食を残すには 新庄東高生が高齢者に学ぶ

各家庭に伝わるレシピを学び、地域の食文化に理解を深めた=鮭川村・農家民宿「はる風」

 新庄市の新庄東高(田宮邦彦校長)の2年生が、鮭川村の「おじいちゃん」と「おばあちゃん」の協力を得て、地域の食文化について学習を進めている。来年3月に発表会を予定しており、各家庭に伝わる地元食材を使った料理や漬物のレシピを学び、伝統を残すためにできることを一人一人が考え、提案する。

 同校では2019年度から地域課題の解決策を提案する「プレゼン授業」を展開している。今年は38人が6班に分かれて学習を進めており、ほかに地産地消や地域医療、農業をテーマにしたグループもある。

 今月6日には同村中渡の農家民宿「はる風」を5人が訪問。運営する荒木末治さん(76)と妻の京子さん(75)から「干しワラビとキノコの巾着」「たくあん漬けのいり物」など4品の作り方を教わり、味わった。調理は末治さんと京子さんから「やんばいだ」「いいんねが」などと声をかけられながら進めた。

 完成した料理を味わいながら生徒から「漬物を作って楽しいことは何ですか」と問われ、京子さんが「作った物をあげた後のお返しが楽しみ」とコメントするなど、終始和気あいあいとした雰囲気で活動を進めた。斎藤陽さん(17)は「1人暮らしをしたときに自分で作ってみたいと思った。発表に向けて保存食などの作り方をもっと調べてみたい」と話した。

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