浜松市のNPO法人が2015年から取り組んできた「アワビの陸上養殖事業」を6月末で終了することを決めました。事業断念の理由は技術面のハードルの高さでした。
<がんばらまいか佐久間 大見芳理事長>
「商品化に至らず残念に思う」
「アワビの陸上養殖事業」を行ってきたのは、浜松市天竜区佐久間町のNPO法人「がんばらまいか佐久間」です。この事業は、新たな佐久間町のブランド品を作ろうと浜松市の実証実験として2015年に始まりました。旧学校給食センターを養殖場に改装。2020年からは地域活性化を目指す市の「まちづくり事業」として、2,700万円ほどの運営資金がNPO法人に交付されていました。
しかし、目指していた民営化には至らず、6月末をもって事業を終了することを決めました。水質や水温の調整が難しいため、軌道に乗らなかったといいます。
<がんばらまいか佐久間 大見芳理事長>
「水温がだんだんと上がっていく時はアワビも自分の体で調節していくんだけど、いっぺんに上がったりすると調節ができない。人間もそうですけど。そういったときには、いっぺんに2,000匹も死んじゃったことがありましたけど」
アワビの生育自体は2023年4月をもって終えていましたが、水槽やエアコンなどのメンテナンスはいまも実施。「がんばらまいか佐久間」理事長の大見芳さんは、養殖場を新たに担う後継者が現れることに期待を寄せています。
<がんばらまいか佐久間 大見芳理事長>
「今後の事業については『海水』というところにはこだわらずに淡水でも結構だと思います。色んなやり方があると思うので幅広く考えていただいて、ぜひ『やってみたいと』手を上げていただきたいなと思います」
大見さんは養殖場に興味を持った企業などがあれば話を聞いてみたいとしています。