鋳物師の心意気みせ 高岡・金屋で御印祭 4年ぶりに弥栄節

弥栄節に合わせて練り歩く児童=高岡市金屋町

 高岡鋳物発祥の地で重伝建に選定されている高岡市金屋町一帯で19日、高岡開町の祖・加賀藩前田家2代藩主前田利長の遺徳をしのぶ「御印祭(ごいんさい)」の前夜祭が行われた。千本格子の町家が並ぶ石畳の通りで、鋳物師(いもじ)の作業歌「弥栄節(やがえふ)」の町流しが4年ぶりに行われ、児童生徒や銅器関係団体など約500人が鋳物師の心意気を見せた。

 町流しは石畳通りの約300メートルにかけて行われた。鋳物師姿の若衆が「エンヤシャ ヤッシャイ」と威勢のいい掛け声に合わせて竹ざおを操り、練り歩いた。女衆は浴衣に手拭いを携えてしっとりと舞った。

 式典では嶋田一成実行委員会長、新田八朗知事、角田悠紀市長、山本徹県議があいさつした。

 御印祭は利長が1611(慶長16)年に鋳物師を呼び寄せ、「御印地」と呼ばれる土地を与えて保護したのに由来し、利長の命日の旧暦5月20日(6月20日)に行われている。

 20日は、利長や石凝姥神(いしごりどめのかみ)など金屋町や鋳物に縁の深い「金屋四神」をまつる有礒正八幡宮(高岡市横田町)で祭典が行われ、国史跡前田利長墓所前などで奉納踊りが繰り広げられる。

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