抗がん剤開発へ化合物 富大、カメルーン大と共同研究

研究成果を報告するアウファック准教授(右)=富大杉谷キャンパス

 新たな抗がん剤開発に向けて共同研究を進める富大和漢医薬学総合研究所とカメルーン・ジャング大は19日、富大杉谷キャンパスで成果報告会を開いた。カメルーン産のシダ植物から新たな化合物の精製に成功し、ジャング大の研究グループが今後、抗がん性を調べる。

 研究所はがんに特異的で副作用の少ない抗がん剤開発に向け、がん細胞の増殖に関わる酵素の阻害剤について調べている。

 ジャング大からはプログラムコーディネーターのアウファック・モリス・デュクレット准教授ら教員2人、大学院生2人が来日し、1日から共同研究を始めた。カメルーン産天然資源由来の抽出物の精製や分析を行い、20日の帰国を前に報告会を開いた。

 ジャング大の4人は日本の機器を使い、約50種類の抽出物から化合物の精製を目指していた。研究所によると、アフリカの天然資源には日本でこれまで見つかっていない天然の阻害剤が含まれている可能性があるという。

 アウファック准教授は成果を論文にまとめ、今後も研究所と連携を図る予定で「共同研究はとても幸せだった」と振り返った。

 共同研究は科学技術振興機構(JST)の国際青少年サイエンス交流事業に採択されている。

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