福井駅西口再開発「B街区」複合ビル、完成1年半遅れ サービス付き高齢者向け住宅断念し分譲住宅に

大名町交差点側から見たB街区再開発の新たなイメージ図

 福井県福井市のJR福井駅西口の通称「三角地帯」西側の駅前電車通り北地区B街区再開発で、地権者らによる再開発組合は6月19日、複合ビルを当初の地上8階から10階に変更し、完成予定時期を2025年11月とする事業計画変更を県に認可申請した。当初、北陸新幹線県内開業に合わせ24年3月としていた完成時期は、約1年半以上遅れる見通しとなった。24年1月に着工する予定。

 同組合は昨年11月、ビル建設の核としていたサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を断念し、分譲住宅に変更することや、完成時期が25年春以降に遅れる見通しを発表していた。今月15日の臨時総会で事業計画の変更を正式に承認した。

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 事業計画では、当初の地上8階を10階にし、鉄骨造りから鉄筋コンクリート造りに変更。高さは1.4メートル高い約34.9メートルとなった。建築面積は当初より約100平方メートル小さい900平方メートルで、延べ床面積は約7160平方メートルから約6820平方メートルとなった。ビル西側に、歩行者らも利用できる広場を整備することも新たに盛り込んだ。事業費は約49億円。

 従来の計画では1、2階に商業施設が入る予定だったが、1階のみに変更。2階には医療機関や介護福祉事業所を運営する千寿会医療福祉グループ(福井市)が運営を担うクリニックと通所リハビリの医療福祉施設が入居する予定。4~8階に設けるとしていたサ高住(45戸)は断念し、3~10階に分譲住宅(62戸)を設けるとしている。

 同組合は「新型コロナウイルスは今では落ち着いているが、人が接するサービスを提供するサ高住の運営は先行きが見通せず難しいと判断した。資材価格の高騰もあり、採算面を考慮して計画を見直した」と話している。

 建設予定区域では、解体工事が4月末に完了、福井市の埋蔵文化財調査も終えており、現在、測量など着工に向けた準備が進んでいる。

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