昭和レトロな純喫茶、淡路島の福栄珈琲店 赤ポストやダイヤル式電話など、店主のこだわりコーヒーと千点の雑貨に

昭和レトロな空間でコーヒーを味わうことができる=南あわじ市神代社家

 タマネギ畑が広がる兵庫県南あわじ市神代社家の静かな通りに、青い屋根と昔ながらの赤いポストが目を引くカフェがオープンした。同市出身の福榮(ふくえ)眞人さん(46)が会社員から転身し、開いた「GOOD TIME(グッド・タイム) 福栄珈琲店」。純喫茶風と昭和レトロ風の2つのこだわり空間でコーヒーやトーストなどを味わえ「疲れた心を癒やし、また来たいと思ってもらえる店にしたい」と夢を膨らませる。(古田真央子)

 今年3月21日に開店したが、提供できる料理や飲み物は徐々に増やしている。

 ウルトラマンのフィギュア、ダイヤル式の赤電話にテレビ、昭和期に売り出された菓子や薬のポスター、看板…。扉を開けると、左側の部屋は約千点の雑貨で埋め尽くされている。

 「タイムスリップできる」「昔に戻ったみたいで懐かしい」。しばし時間を忘れて過ごす客も多い。

 右側は純喫茶スペース。カウンター内の棚に色とりどりのカップが並び、しっとりと落ち着いた雰囲気にコーヒーの香りが映える。

 27年間、自動車製造業の会社に勤めた福榮さん。働く中で人生を見詰め直し「同じ努力をするなら好きなことでしたいと思った」。

 昨年5月に退職した。元々空間作りが得意だった。加えてコーヒー好き。両方を生かし、喫茶カフェを開こうと決めた。

 「一切、妥協しない」。そんな思いで理想の店内、メニューを目指す。

 中でもこだわるのはコーヒーだ。オリジナルブレンド、シングルコーヒーなど約7種類をそろえる。「自分が本当においしいと思った豆を使う」ときっぱり。焙煎(ばいせん)はプロに頼む。

 「薄くも濃くもない、コーヒーのいいとこ取りをした味を追求している」といい、開店まで何度も分析を繰り返した。

 オープンから2カ月が過ぎた。既にリピーターが多いといい「10回ほど来店してくれたお客さんも何人かいる」と驚く。

 「お客さんにコーヒーの味を想像以上にほめてもらえた。やってきたことは間違っていなかったのかもと感じ、うれしい」と笑顔を見せる。今後はパンケーキなどさらにメニューに加えていく予定だ。

 カウンター、テーブル席合わせて21席。水曜日休み(7月から火、水曜日休み)。GOOD TIME 福栄珈琲店TEL0799.58.0181

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