マイナカードを他人が利用 同姓同名に自治体が誤交付

マイナンバーカードについて記者会見する松本総務相=20日午前、総務省

 総務省は20日、マイナンバーカードを他人が利用する事案が2件あったと発表した。自治体が住民に同姓同名の別人のカードを交付。受け取った住民も気付かず、カードを使いマイナポイントを申請していた。住民に悪意があれば、他人に成り済まして、他のオンライン手続きも行えた事態。政府はカードについて、成り済ましのリスクが低い「最高位の身分証明書」とPRしてきたが、信頼性が大きく揺らいだ。

 加藤勝信厚生労働相は20日の記者会見で、マイナンバーと障害者手帳情報のひも付けを誤ったケースも数十件あったと発表。トラブル続発の中、松野博一官房長官は健康保険証を廃止してマイナカードに一本化する方針を堅持する考えを改めて示した。

 マイナポイントはスマートフォンなどからオンラインで申請する仕組みで、マイナカードとカードの暗証番号によって本人確認をする。暗証番号はカードを受け取った人が設定するため、別人なのに申請手続きができたもようだ。

 河野太郎デジタル相は会見で、カードの誤交付に「あってはならないミスだ」と述べた。

マイナンバーカードの見本
マイナポイント誤付与の原因

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