岩手の木炭、仏へ輸出開始 久慈・谷地林業、県内企業単独で初

谷地林業の社員から木炭の説明を受けるオリヴィエ・デゥレンヌ社長(中央)=19日、久慈市山形町

 久慈市山形町の谷地林業(谷地譲社長)は、自社ブランド岩手木炭「黒炭(KUROSUMI)」のフランス向け輸出を開始した。第1便のコンテナに5.7トン(960箱)を積んだ船便が19日出航した。火力が強く長持ちする高品質な黒炭は、飲食店やバーベキューでの需要が見込まれる。同社によると、県内企業単独での木炭輸出は初めて。海外に販路を広げることで、全国1位の生産量を誇る本県の木炭品質を維持し、持続可能な産業を目指す。

 輸出先となるフランスの輸入会社「パルミフランス」のオリヴィエ・デゥレンヌ社長(56)が同日、谷地林業を訪れ、木炭の生産工程を見学した。

 オリヴィエ社長は「人の手による伝統的な炭づくりが素晴らしい。受け継がれた歴史も重要で可能性を感じる。今後も一緒に販路拡大させたい」と意欲を見せた。フランスでは飲食店のほか、パーティーで子豚の丸焼きを食べる文化があり、そうした需要も見込めるという。

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