“最低限” を全うする先発投手としてのプライド 広島カープ 森下暢仁 4年目も「変わらない」

セ・パ交流戦まで終え、広島カープ投手陣の中で非常に安定したピッチングを見せているのが、森下暢仁 投手です。

広島カープ 森下暢仁 投手(17日のヒーローインタビュー)
「きょうはもう本当に “最低限” の仕事しかしていないので…」

(18日のインタビュー)
「まあ、本当、“最低限” 、しっかりゲームを作れているのかなと思っています。クオリティースタート(QS)することが一番、先発ピッチャーの仕事だと思いますし。9回ゼロが一番いい中で、6回2失点は “最低限” …」

“最低限” ―。そう言葉にして、ことしは交流戦終了までの全ての登板7試合で6回以上を自責点3以内のクオリティースタートを達成してきました。

決して簡単ではない、“最低限” ―。それは計算できるピッチャーとしての「安定感」につながっています。大崩れしないことで、防御率もプロ1年目以来の1点台を維持。

森下自身もここまでの手応えを口にする中、その要因に迫りました。

広島カープ 森下暢仁 投手
「基本的に本当、全部の球をしっかり投げられているので、緩急も使えていますし。変わっていかないといけないと思うんですけど、変わっていないんじゃないかな。いい意味で変わっていないと思いますけど」

「いいとき・悪いときっていうのは、本当にわかってきているので、いいときにどんどん寄せていけるようなコンディションだったり、そういう部分でしっかりとできているのかなと思います。大量得点を取られる試合がまだないだけで、去年はそういう試合が何試合かあったので、そういう試合を減らしていけたらなっていうふうに思っているので、その中で6回以上、絶対に投げるつもりでやっています」

“プロ1年目から大きく変えたことはない” ―。あっけらかんと語る25歳。ただ、そんな中で4年目のシーズンを迎えたことしだからこそ、“ある実感はあった” といいます。

広島カープ 森下暢仁 投手
「ボールを投げられなかったときは、ちょっともどかしい気持ちはあったんですけど、投げられるようになると、やっぱり楽しさ、確かに楽しさはありました。ひじが治って、良くも悪くもこうやってまた試合で投げられているので、そこに楽しさを感じて今、やれているので。そこが、一番じゃないですか。喜びだったり、くやしさだったりっていういろんな気持ちを味わえる。味わうことができる。仕事しているなっていう気持ちもありながら、やっぱりみんなと喜べる瞬間があるので、そういう楽しさというか、みんなと共有できるっていうのがいいなと思ってやっています」

プロ入りして初めての手術と長期離脱、そして、あらためて感じた野球の楽しさ―。遅れて1軍に戻ってきた若きエースが、“最低限” と語る先発投手としてのプライドを胸に、シーズン終了まで腕を振り続けます。

広島カープ 森下暢仁 投手
「やっぱり(九里)亜蓮さんだったり、床田(寛樹)さんだったり、(大瀬良)大地さんだったり、こうやって競える先輩たちがいる中で、その人たちに負けたくないっていう気持ちもありますし、負けないようにという気持ちもあるので、そういう部分でしっかりやりたいなと思っています。まあ、遅れていますし、とりあえず規定投球回、行きたいなっていう気持ちでやっています」

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RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
「けがって、マイナスな過去だと思うんですけど、今の成績でプラスな過去に塗り替えられたんじゃないかなと思います。森下投手は、『大きく変えてない』と言っていましたけども、全ての面で経験値も含めて成長しているなっていうのは、登板を重ねるたびに解説者としてはすごく感じます」

石田充 アナウンサー
「規定投球回を達成するには、今後、7イニング以上は投げなければならないぐらい、今シーズン、少し少し出遅れたというのがあるので高い壁にはなるんですけれども、森下投手の今の表情であったり、安定感であれば、やってくれるんではないかと思います」

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